性格ブス系女子に、イケメン男子になって言い返そう！！

ボディタッチ系女子：その１ ページ6

今日は体育館で映画鑑賞。

内容は、犬が別れた飼い主と再会する話。うん、かわいい。

そして、先生のご意向で席は自由になった。

俺にとっては、はた迷惑なご意向なんだが…。


「Aクン…♪」


ほら来た。女子達に周りを囲まれている。色んな香水のきつい匂いが混ざって気持ち悪い。


「…何？」


「ねぇ、Aクンって…体、鍛えてるんだね♪」


右にいる女子が、俺の許可なくまとわりつく様に手が腕を撫で回している。ぶっちゃけちょっと胸当たってるし。

わざとなの知ってるけど。


「そうかもね」


「そんなクールな所も好き…。ねぇ、もうちょっと触ってもいい…かな…？」


よかねえよ。


と思うけど、流石にそれはきつく言いすぎか。どうにかして逃げるには…。


「Aクン…腕の筋肉すごぉい…。私にも触って、いいよ…？」


顔を赤くして勝手に事を進めようとする。うん、しつこい。


「えいえいっ！やっぱり、筋肉すごいなあ、Aクン…♪」


知るか。


と、言いたいけれどな…。いい案も思い浮かばない。

ふと映画の方に向き直ると、


「あたし…眠くなってきちゃったぁ…」


と寄りかかってきた。明らかに寝たフリだろう。

映画では迷い犬が、いじめてくる子供が投げる石をぽんぽん避けているシーン。確か途中でサーカス団に強制的に入れられてたときに身につけた技だ。


あ、ひらめいた。


ますますこちらに寄りかかり、完全に頭の全ての重みをこちらに傾けてきた彼女。ご丁寧に寝息まで立てている。

こんな時だから実行できます。


くーくー寝息を立てている。まずはこの体制でしばらく維持。

すると彼女は許可を得たとばかりに両腕を絡めて完全睡眠体制。

そこを…。


「ぐっお腹いてっ！」


と叫びつつ、急に立ち上がった！

見事に体重を俺に預けていた彼女はいきなり支えを失ってガクンと下に落ちた。ゴツッと鈍い音が聞こえた。


「やべ、お腹マジいてえ！ちょっとトイレ行ってくるわ！！」


そう叫びつつ撤退。頭をジャストミートッした彼女は悶絶していた。が、その周りには俺を狙うライバルしかいないため、援護はない。

…え？性格ブスの集まりだったのかよ、こええ。


そのまま一応体育館を出る。腹痛？んなもん仮病だよ仮病。

とりあえず映画は音だけで楽しむ事にした。外に見張りの先生がいなくて助かったよ…。


「うん、映画は危険だ。」


ちなみに映画の犬は飼い主と再会した。

ドイツで。

不思議すぎる。

連絡！→←先述の「文章小文字過多系女子：その１」について

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