【呪術廻戦】ちょこれーと廻戦【夏油傑】

３６話 ページ38

『あー…楽しかった！』


｢ふふふ、それは良かった｣



帰りの電車に揺られながらそう呟けば、
笑みを漏らして夏油がそう返す。



背中側の電車の扉に体を預けて
目を閉じれば今でも
ふわふわと優雅にクラゲが漂う姿を
瞼の裏に蘇らせることができる。

赤青紫…様々な色のクラゲが
丸い水槽を泳ぐ姿は
いくら見ていても見飽きなかった。


いいなぁ…あれ、高専にも欲しい。

めっちゃ癒された。

ほら、ロビーとかに飾って
みんなでお世話してさ…いや、駄目だな。
絶対誰かが水槽割って終わりだわ。
うん、間違いなく割るわ。悟あたりが。



視線を落とせばお土産が目に入った。
悟と硝子に買ったストラップだ。

色違いのクラゲのストラップで、
私は赤、夏油は黄色、悟は青、硝子が緑色。


気に入ってくれるといいなぁ。


電車は夕焼け色に染まった町を駆け抜け、
駅の旅に人を乗せてゆく。



｢だんだん混んできたね｣


『ねー』



時間帯的にラッシュと
重なってしまったのだろう。

空席がなくて座り損ねたが、
扉側を陣取ることができたし
なんとかなるだろう。



夏油と小さな声で
たわいもない会話をしていれば
夏油の少しだけ冷たい手が私の耳に触れる。



｢ピアス穴、開けてたんだね｣


『うー？あ、そうそう。何個か開けた』



調子に乗っていっぱい開けたんだよね。

えっと…



『両耳合わせて８個？くらい』


｢ピアッサーかい？｣


『いや、安全ピン』


｢安全ピン…！？｣

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