【呪術廻戦】ちょこれーと廻戦【夏油傑】

３３話 ページ35

『夏油は食べ方が綺麗だよねぇ。惚れ惚れしちゃう。』



所作一つ一つが
洗練されているというかなんというか。
ぼーっとみてても飽きないんだよね。

これも夏油傑の推しポイントの１つですよ。



｢そうかい？あまり意識したことはなかったけど…｣


『そうだよ〜』



銀色のフォークを操って
イチゴタルトを切り分け、頬張る。

甘酸っぱくて、
爽やかな味が口いっぱいに広がる。



やっぱり美味しい！
私の目に狂いはなかった！！

持ち帰りもできるそうだから
硝子や悟とか後輩達に買って帰ろうかな。

あー…でも、荷物になるし邪魔かな。





そんなことを考えていれば、
目の前に差し出された
チョコレート色のマカロンに驚いて現実に戻る。





｢はい、あーん？｣






『えっ…？？』






突然のことに脳が処理しきれず
落ちて再起動するまでに３秒。

自分でもよく復帰できたな、と思います。



夏油の大きな手がつまんだ
チョコレート色のマカロンは
依然と私の目の前に差し出されたままだ。









よーしよーし、落ち着け？


落ちついて行動しろ、私？

夏油は最初になんていった？



｢はい、あーん｣だよ。



…え、食べろって事ですか。

そう言うことだよね、あーんなんて言葉、
このシチュエーションでは
それ以外にほぼ使わないもんね…。





え、なにそれご褒美ですか？





夏油は揶揄ってるつもりなんだろうけど…
それはご褒美だと思う。

もはやご褒美を超えて
喉元狙ってきてる気もするけど
８割くらいはご褒美だと私は思うの。



ダメダメ、駄目だよ、私。


そんな衝動のままに行動するなんてー…




『いただきます…』


｢召し上がれ｣



駄目だった。

衝動と欲望に耐えきれず、
チョコレートマカロンを一口食べてしまった。

しかも…夏油の手ずから！！


もうやってしまった後だけど、
なんか凄く恥ずかしくない！？これ！！





ほろ苦いはずのチョコレートマカロンは
どうしてかくらくらするぐらい酷く甘かった。





｢美味しい？｣


『凄く美味しいデス…』

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