【呪術廻戦】ねこ五条先生といっしょ！２【五条悟】

seventh　side硝子 ページ37

｢今日の朝方、正式に加茂家から的射家にお見合いの破談が持ち込まれた。だからもう心配ないよ｣


心置きなくAから離れられるね。
そんな風に笑ってみせる。



悟は悔しそうに下を向く。

唇を噛みしめ、拳を握り締め…
整ったその顔を歪ませる。



胸が痛むかと言えばー、そうでもない。

自分の行動に自信は持てなくなったが、
決して後悔はしていない。

それが正しかったと信じている。



ー、ああ、けれど。



｢(…酷い顔)｣



ここまで追い詰められた
この同級生の顔は見たことがない。
また、自分の中の何かが揺らいだ。


｢…悟｣


はっ、と顔を上げた悟に、
私は、らしくないことを言った。



｢この状況に加担した私が言うのもどうかと思うけど…さ。アンタはこれ(物語)をバットエンドでは終わらせないよね。｣


ー、だって悟は最強だから。

…なんて、ね。




Aが幸せだといい。
けど、悟も幸せだといい。


その両方を願うのは傲慢な事だろうか。






＊＊＊






『えっ、今日？』


｢うん。突然で申し訳ないけど｣


お見合いの破談の話を聞いて
舞い上がった気分が、
冷や水を浴びせられたように静かにある。


いつかは来ると思っていた。
心構えもしていたけれど…ああ、今日なんだ。


『じゃあ今日はマグロだね』


｢酒開けていい？｣


『硝子、車で来てるよね？』


飲酒運転は駄目。

悟さんとはもう会うことはないだろう。
なんて言ったって
元々あの人は雲の上のような人なのだ。
そう易々と１級呪術師如きが会えるわけもない。


ぽっかりと穴が開いて、
風が通ったかのように酷く寂しかった。

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