【呪術廻戦】家入ちゃんの怠惰な日常【乙骨憂太】

３９話 ページ40

｢ほら、おいでA｣


『その好意はいと嬉しけれどげに自由ながら辞退させたまへまほしく存ず…』


｢平安語(？)は喋らなくていい｣



柱の後ろに隠れて震える私、
ある程度の距離をとって
こちらへ腕を広げる加茂憲紀。

彼の右手には猫じゃらしが握られている。

あれは確かゴンザレス山田の…
お姉ちゃんが渡したのかな…。



｢ほら、おいで｣



流石に２回目は
赦されないような気がしてとぼとぼ歩く。



なんかね、膝がガクガク震えて、
心臓がドキドキして、全身が熱くって、
視界が歪んでるの。





これが…恋…？？





｢よしよし｣


加茂憲紀の膝の上に乗ったら頭を撫でられた。



｢私の名前は加茂憲紀。呪術界の御三家と呼ばれる家の１つ、加茂家の嫡男だ。｣


『ちゃくなん…？』


｢長男、みたいなものだ｣



御三家ってあれだよね、
悟くんとか真希ちゃんとかの。

なんか全然雰囲気違うけど。



『とっしーは…何が好きなの？』


｢とっしー…ああ、憲紀のとしか…コーヒーが好きだ｣



御三家の人ってコーヒー飲むんだ…。


てっきりそういう外国の文化を嗜んでいると
非国民とか呪術師にあらずとか
言われちゃうんだと思ってた。



『とっしーはお寿司と焼き肉どっちが好き？』


｢焼き肉｣



御三家の人の口から
焼き肉って出てくるのめっちゃ面白いな。

御三家の人は焼き肉
食べそうにない(偏見)から
よけい面白いんだよね。



『今から言う単語を復唱してみて』



｢…？わかった｣





『●ァミマ』


｢ファミ●…？｣


『セ●ン』


｢セブ●…？？｣



やばい、めっちゃ面白い。
物凄く面白い！！


もしかしたらとっしーは凄くいい人。



『とっしー、お昼頼もうお昼。ピザで良い？ピザハ●ト。何が良い？』


｢フレッシュモッツァレラ●ファミリーにしよう｣



即答するじゃん。
どうしたのとっしー。



『ピザ、そんなに食べたかったの？』



｢いや…カタカナの言葉を話すとどうしてかみんなに笑われるのだ。｣



どうしよう、俄然京都校のみなさんと
仲良く出来るような気がしてきた。



｢ピザを食べるのは御三家として相応しくないのだろうか…｣



『悟くんも食べてるし、ピザくらい好きに食べて良いんじゃない？？』



知らないけど。

あなたは御三家の嫡男なんだから
ピザなんて食べてはいけません、
なんて言う人が居たら世も末でしょ。



『とっしーはいい人。』



｢ありがとう…？｣



人は見かけによらないね！

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