花巻貴大の中で勘違いの連鎖が起こっているらしい。【青葉城西】

勝負の火曜日 ページ15

さあ、やって来ました。









勝負の火曜日が…！！









「いつもの倍くらい真面目な顔してどうした」




『及川さんの告白断るっっっ！！！！』




「おい声でけぇよ！！」









静かになる教室。




一気にクラスの女子に睨まれる。









『あ、あの及川さんの告白断るっ、人なんて、い、いるのかなー、みたいな…？』








苦し紛れの言い逃れだったが


何とか誤魔化せたらしい。




再び教室に会話が戻った。



















時は放課後




今日は緊張していたせいか、授業の記憶が曖昧だ。









『ありがとね英、ドリンク手伝ってくれて』




「別に良いですよ」









今は英がドリンクを作るのを手伝ってくれている。





面倒臭がりだと思っていたけれど、


気が利く後輩だった。














「それで、先輩方とは何がどうなったんですか」









探りを入れて来たな、こいつ。









『何も、どうもなってないですけど？』



「顔に嘘って書いてますよ。告白されたんでしょ？」



『え、エスパー…』









第一印象通り、英はやはり結構なやり手。









『…後輩に相談とか、迷惑じゃん？』



「頼られたい後輩もいますから。」



『ふふっ、良い後輩だね』









何気ない会話だけど、


英は意外と優しい人なんだってわかった。









「まあ及川さんが簡単に引き下がるかは分かりませんけど、頑張ってください。あ、1年ネット準備だ…」




『行っておいでー！』









英が行ってしまってから、



聞こえるのは水道の水が流れる音と



運動部のランニングの声。









及川さんの告白を断る、か。









また緊張してきた…



いつ呼び出そう？



部活終わってからが良いかな、









それとも……





























「Aお疲れー！おい、溢れ出てるぞ？」








考え事をしていたせいか

水道の水がドリンクのボトルから溢れでていた。









『あわわわわっ！』



「そんなに焦んなよ笑」









アタフタしながら隣を見れば、





そこには花巻さん。









『は、花巻さんお疲れ様です！』



「おぉ、何だ恋のお悩み事ですかぁ？」











一瞬ドキッとした。






花巻さんの口から"恋"って単語、

初めて聞いたかも。









『まあ、間違ってはない…と思います』

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