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episode40 ページ40

稲荷崎の体育祭はなんと言っても応援に気合が入っているようで。吹奏楽部の演奏と、悲鳴にも似た黄色い歓声が校庭に響く。






特に全国に名を轟かせる男子バレー部には多くの固定ファンがついている。









「宮くんふぁいとぉぉぉお!!!」







隣のテントを陣取っている2年女子もファンの一員らしく、手作りと思わしき団扇を振り回して応援している。









1組対2組、いや双子対決とでも言うのだろうか。他のクラスと圧倒的に差をつけた双子は、2人並んでゴールに向かって疾走している。




午前最後の競技であるクラス対抗リレーで今日イチの盛り上がりを見せる女子の応援。








それに対して私のテンションは下がる一方だ。朝から話しかけるタイミングを見計らっているけれど、侑くんの周りに人集りがない時が無い。




さすが人気者だな、とため息をつく。思い通りには行かないものだ。












「ため息つくと幸せが逃げるんやで」




『だってさぁぁぁ…きゃぁっ!?』








頭上から聞こえた北くんの声に反応して顔を上に向けると、額に冷たい何かが当たって変な声が出た。




手に取ってみればそれはスポーツ飲料で。




「それやるわ」




と言って私の隣の椅子に腰掛けた北くん。









嬉しいです。嬉しいですけど、なんで急に奢り?


と混乱していれば全部顔に出ていたのか






「九条はすぐに顔に出るタイプよな」






と北くんは笑った。
















「きゃぁぁぁあ!!治くぅぅぅうん!!!」








またしても隣のテントから女子の黄色い歓声が上がった。どうやら双子対決は治くんの勝利に終わったらしい。








ゴール付近で悔しがっている侑くんの元に、また人集りができ始めている。








今までは侑くんの方から私の所に来て、適当に話して、何となく解散して。でも今となっては手の届かないほど遠くの存在のように思えてくる。














言ってしまえば出会う前の関係に戻っただけ。



もう諦めるのが得策なのではないか、と余計な考えが頭を過り始める。



























「侑も、同じやで」














突然北くんの口から出てきた「侑」という単語に思わず動揺する。






今その人の話題はやめてください。悩みの種なんです。
























「ほんまに侑も九条も、


すぐに顔に出るタイプやねん。」

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赤羽 - うわああああこれ好きすぎる (4月8日 23時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
mia - 侑切ない…(´TωT`)侑とくっついて欲しいけど、北さんともくっついて欲しい…続き楽しみにしています!!これからも頑張って下さい!! (2020年3月24日 11時) (レス) id: 3bb55163e6 (このIDを非表示/違反報告)
もちねこ(プロフ) - りおなさん» いつもコメントありがとうございます!長編となりますが最後までお付き合いよろしくお願いします (2020年3月18日 0時) (レス) id: bf7fa3a49d (このIDを非表示/違反報告)
りおな(プロフ) - 今回もドキドキをありがとうございました…文化祭編も卒業編も楽しみにしてます(T_T) (2020年3月17日 0時) (レス) id: 3541b5b7c1 (このIDを非表示/違反報告)
もちねこ(プロフ) - 輝星さん» そんな風に言っていただけて光栄です…更新頑張らせていただきます! (2020年3月16日 1時) (レス) id: bf7fa3a49d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちねこ | 作成日時:2020年2月17日 18時

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