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episode35 ページ35

塾に通っていない私は、放課後に学校の自習室に残って勉強してから帰るのが習慣になった。









推薦か受験か、今の私はまだ何も決まっていない。どちらにしても3年の1学期に勉強を休む理由は無かった。






特に、授業中についつい(・・・・)寝てしまった今日みたいな日には、最終下校時刻まで学校で勉強するペナルティを負い、受験生の自覚を保っていた。














最終下校時刻は



運動部の部活終了時間と同時刻らしく



















「あ、Aさんや!」






こうして部活終わりの侑くん達に会うことも不自然では無い。













「先日はアイス、ありがとうございました」



「美味かったっす!」



『どういたしましてー』





と丁寧にお礼を言ってくれるのは角名くん、元気が良いのは銀島くん。









対して双子は






「今日も駄菓子屋行くでAさん!」



「先輩の奢りやー」





と、全く感謝する気もないようだ。






















でも結局来てしまう駄菓子屋さん。










前回と同じように私と侑くんはベンチに腰掛けて、季節外れの風鈴を音を聴きながらソーダ味のアイスキャンディーを半分こして食べる。







今日は割り勘で買った。









角名くんと銀島くんは雨が降っているからと早めに帰り、治くんは「奢りじゃないなら行かん」と言って先に帰った。







いつでも奢ると思うなよ。
























「家までちゃんと送るから駄菓子屋行こ?」









侑くんも治くんと一緒に帰ると思っていたのに帰る気は無いらしく、押しに弱い私は駄菓子屋さんに連行されて今に至る。






















「放課後デート2回目やなぁ」









デート、という響きは少し恥ずかしかった。



















『これはデートじゃなくて親睦会』




「つれへんなぁ」







また楽しそうに笑う侑くんは、最近本当に私に懐いている気がする。













『デートは好きな人とするものです』




「………せやなぁ

Aさんは北さん一途やもんな」




『…別にいいでしょ』












梅雨の湿気った空気と、止む気配のないやる気のない雨の中


侑くんは珍しく、儚い表情で言った。




















「大丈夫、」












「俺、ちゃんと応援するから。邪魔もせん」















大丈夫の言葉とは似合わない、


雨みたいに湿気た、侑くんらしくない顔だった。

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赤羽 - うわああああこれ好きすぎる (4月8日 23時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
mia - 侑切ない…(´TωT`)侑とくっついて欲しいけど、北さんともくっついて欲しい…続き楽しみにしています!!これからも頑張って下さい!! (2020年3月24日 11時) (レス) id: 3bb55163e6 (このIDを非表示/違反報告)
もちねこ(プロフ) - りおなさん» いつもコメントありがとうございます!長編となりますが最後までお付き合いよろしくお願いします (2020年3月18日 0時) (レス) id: bf7fa3a49d (このIDを非表示/違反報告)
りおな(プロフ) - 今回もドキドキをありがとうございました…文化祭編も卒業編も楽しみにしてます(T_T) (2020年3月17日 0時) (レス) id: 3541b5b7c1 (このIDを非表示/違反報告)
もちねこ(プロフ) - 輝星さん» そんな風に言っていただけて光栄です…更新頑張らせていただきます! (2020年3月16日 1時) (レス) id: bf7fa3a49d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちねこ | 作成日時:2020年2月17日 18時

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