【宮侑】後輩に弱みを握られた【北信介】

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「お疲れ様でしたァ！！」









気がつけば日も暮れていて、私の隣にいた宮くん達の応援隊もいなくなっていた。









どれだけの時間集中してコートの中を見ていたか分からない。












ただ練習が終わって1階に降りて行った時

















「Aさん、まだ帰ってなかったんや…！！」







と心底驚かれた。









どうやら練習の最初から最後までずっと見入っている生徒は珍しいらしい。
















『うん。すっごいかっこよかったよ。ただのナルシストだと思ってたけど、ちゃんと凄かった。』







「Aさんて、所々毒舌よな」









宮くんのバレーは人を惹き付ける何かがあって、実際に私も彼のプレーに魅了されたわけで。


















『見学に誘ってくれてありがとう、侑くん』










「おおきにー









………え、侑くんて言うた！？」









『あ、北くんもお疲れ様！』













ちょっとだけ宮くんに対するイメージがプラスになった事は、本人に言うと調子に乗りそうだから言わない。



























「九条…？まだ帰ってなかったんやな。」




『集中して見てたらこんな時間になってた』
















九条らしいな、と言いながらタオルで汗を拭う姿が尊い。











道具の片付けも終わって、電気を消して回る。













「九条は今から帰り？」





『うん、遅くなっちゃったから急いで帰るよ』









ほかの部員は先に部室に帰って着替え始めているようで、バレー部の部室からは騒がしくも楽しそうな声が聞こえてきた。














『それじゃあ北くんも風邪ひかないように早く着替えて帰るんだよー』









おん、とシンプルに返事をする北くん。












最後の戸締りで、体育館に施錠をしている。





































『それじゃあまた明日ね！』











部室の前で、北くんと別れて校門を目指す。









こんな時って帰りは家まで送って貰えるのがお約束だと思っていたけれど、







現実はそう甘くないらしい。

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