【宮侑】後輩に恋路を邪魔される【北信介】

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宮 侑 side





珍しいことに、その日最後に部室にやって来たのは北さんやった。





「文化祭のクラス企画決めるのに時間かかってん」とアランくんに説明しとる声が聞こえて納得した。









北さんは文化祭実行委員で、Aさんも同じクラスの実行委員。




ええなぁAさんと一緒に実行委員て、同級生の特権やんなあ。俺も同級生やったらもっとこう………あぁぁ色々できるのにっ!!!









歯がゆい気持ちになりながら練習着に袖を通す。









同じクラスとか、隣の席とか



どんなに憧れても叶うことの無い夢やもんなあ…












でも文化祭はチャンスや。



北さんの話盗み聞きしたところ3年7組はコスプレ喫茶。Aさんのコスプレ見るのは大前提として、一緒に文化祭回るためにシフトをズラして……








せや！Aさんに俺のクラスにも来てもらお！





Aさんチュロス好きやろか？女子のゴリ押しで俺らのクラス、チュロス出店になったけど…

タピオカ好きって言いよったし、甘いものは大丈夫よな、好きやといいな…








あーなんや急に楽しみになってきた。



Aさんと文化祭、絶対楽しいに決まっとる。














「なんやツム、にやにやして気色悪いな」




「フッフ、俺はAさんと一緒に文化祭を誰よりもエンジョイしたるねん！」









部活終わったら自習室寄ってみよ


Aさんがおったら文化祭のシフト聞いてみよ


おらんかったら帰り道で電話して聞いてみよ














あかん、考えただけでにやけてまう。









Aさんと一緒に、文化祭。
































部活終わり、自習室にAさんはおった。
































『……北くんと、文化祭回ることになったの』






















自分をぶん殴ってやりたいと思ったのは今日が初めてかもしれない。















Aさんの優しさに漬け込んで、隣を歩かせてもらっている分際のくせに


何が一緒に文化祭(・・・・・・)や。















偉そうに嫉妬なんて出来る立場やないねん俺は。



片思いなんて百も承知でAさんの傍におるんを選んだ。自分で選んだんや。

















「……そっか、それは嬉しい報告やなあ」
















笑えや俺、Aさんにこんな顔させたい訳やない。


文化祭好きな人と回りたいと思うのは俺だけやないねん。

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