のんびり屋さんは今日も行く【ハイキュー】

♯5 顔だけは良い女 ページ6

「Aってほんと顔だけはいいよな」





『急に失礼なこと言うじゃん』






昼休み




部員たちで昼ごはんを食べていると木葉が突然そう言った




Aはおにぎりを食べる手を止め怪訝な顔をした






「何言ってるんですか木葉さん。Aさんは中身まで麗しいですよ」






「赤葦目を覚ませ。こいつは寝ることと食うこととバレーすることしか脳のないやつだぞ」






『失礼な』としかめっ面でそう言うが皆木葉の言葉に同意するように首を縦に振るもんだからさらに渋い顔になってしまった






「でもAが顔だけはいいってのはほんとだよね〜。この前だってAの本性を知らない他校の男子が駅で告白してたし」





「その時のAの返しが残酷すぎてその子泣いてたよね」





一体どんな酷い返事をしたんだと全員がゾッとし、それと同時にその男子生徒へ哀れみの目を向けた








「でも俺はそんなAさんの性格も踏まえてAさんのことを愛してるんです、ということで結婚しましょう」







『無理』







Aの手をぎゅっと握りしめ真っ直ぐに目を見つめそう言う




ここぞとばかりにアプローチをする赤葦だが今日も見事に撃沈したようだ




そんな赤葦にこいつも懲りないなと周りは思った






「もうこんなにお前のこと好きでいてくれるやつ今後現れないだろ、赤葦にしとけばいいんじゃないの？」





「そうですよAさん！俺と結婚しましょう！」








『やだ、私そういうの興味ない』











おにぎりを食べながらそう言うA






その姿を見て、ほんとこいつは顔だけだなと思ったのだった

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