普「俺の腕の中は君専用」壱 (ページ44)

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38話ページ44

光「思えば俺ってあいつのこと知らないんすよ。あっ！でも悪いやつだったら祓うんでやっぱ弱手も知りたいっす！」

貴「光くん…私達花子くんのこと知りたい者同士で仲間だね！一緒に頑張ろ！」(ニコッ

光「…」(ズキュン

ヒラヒラ～

貴「ん？蝶？」

私が蝶に触れようとした瞬間

ボフンッ

貴「きゃっ」

光「先輩！」

貴「蝶が止まったところに扉が…これってもしかして〝16時の書庫〟？」

ギィィ

貴「わぁ！すごい」

ちゃポンッ

貴「水があるってことは」

光「ここも境界…この世とあの世の境目っつーことっすよね。気おつけねぇーと」

貴「…」(ｷｮﾛｷｮﾛ

噂通りなら赤い本さえ読まなければ危険なことは無いはずだけど

貴「白い本には生きてる人で黒い本には死んだ人の事が書いてあるはず」

光「白が多いっすね。黒はちょっとしかねーや」

赤い本はない？

ないならない方がいいけど

光「よーし！花子の本なら黒っすよね！探しますか！」

貴「うん！」

ー数時間後ー

貴「ダメっ…全然見つからない」

この書庫どんな順番で並んでるのかも分からないし

そもそも花子くんの本ってどんなタイトルなの？

光「先輩頭になにかついてるっすよ。取ります」

貴「へ？どこ？」(フワッ

光「…」(バギュンバギュン

ヒラッ

貴「蝶？さっきと同じ。また何かわかるかも！」

光「先輩！まっ！」

ピタっと止まった蝶の下には

貴「これは」

藤崎A

貴「私の本？本当にあった。じゃあ私の学園での記録が…」

〇月✕日

藤崎 A

カモメ学園中等部入学

式当日3分の遅刻

貴「わっ、本当に私が入学した時から書いてある」

〇月✕日

初めての友達が出来る

名前は葵

△月□日

七不思議

7番目と名乗る少年と契約

貴「すごい…こんなに細かく書いてある」

✕月☆日

花子くんが初めて帽子を取る

いつもと違う様子にちょっとドキドキ

その時の気持ちをポエムにしたためる

その内容が…

バンッ

私は勢いよく本を閉じた

光「どうっすか！どうっすか！」

貴「た、確かに噂は本当みたいね。花子くんの本じゃないけど未来の部分を読めば花子くんについて何かわかるかも」

光「俺も！俺も自分の本探してきます！」

貴「あ！赤い本は読んじゃダメだからね！」

光「はい！」