168話 ページ32
シ「落ちないように気をつけてくださいね」
貴「ハァ⋯ハァ」
何この階段
私を殺す気!?
こんな塔の壁にくっついた階段を登るなんて
光「先輩」
手を差し伸べてくれた光くんのおかげで何とか渡ることが出来た
貴「ありがと⋯あ!見て光くん!流れ星!」
光「⋯」
光くんは黙って星を眺めている
貴「この世界って星がすごくきれいだよね。本当の世界よりずっと⋯みんなで天体観測したのも楽しかったな」
光「⋯」
光くんがこんなにも浮かない顔してるのは私のせいかな
私が現実の世界に戻ったらいつ死ぬか分からないから⋯
貴「それでも、現実の方に戻りたいんだよ。でも、私ねこの世界のこともけっこう好きだった。それも本当」
この世界はなんでも出来ちゃうような
花子くんが1番嫌うような世界だけど
貴「私⋯花子くんもこの世界が好きだからずっとここにいたがってるんだと思ってた⋯でも全然違ったんだね」
なんでも叶っちゃうそんな世界だから
貴「一緒にプール掃除したり。授業受けたりしてたとき、花子くん⋯本当は何考えたたのかな」
花子くん演技上手だったし
貴「もしかしたらいつもの花子くんも演技してたのかなぁ⋯なんて、わかんないね」
光「"本当"か。あいつが何考えてるかはわかんねーっすけど。先輩をこの世界に閉じ込めとくことって本当にあいつの望んでる事なのかな」
貴「もしかしたら本当は望んでなかったり?」
光「なんか、偽物なんじゃねーかって」
貴「ニセモノ?」
光「あいつが⋯ミツバかそーだったんで」
貴「ミツバくんが⋯」
光「叶うわけねーからって手ぇ伸ばすのも諦めて手の届く偽物で妥協して。これでいいこれしかねーからって自分に言い聞かせてる。本当の願いはもっと違うものなのに」
確かに⋯
花子くんも本当はこんなことしたくてしてるんじゃないのかも
光「あいつら怪異ってそういうとこ妙に物分りいいっつーか。諦め早いんですよね」
そうだ⋯
シジマさんも本当はメイちゃんを殺したかったわけじゃない
花子くんも⋯?
貴「花子くんの本当の願いってなんだろう」
光「さぁ⋯けど。あいつの本当を引っ張り出してやれるとしたら先輩なんじゃねーかなって俺は思います!」
貴「!?⋯そうかな」
光「そーっす!だって⋯あいつが一番気ぃ許してんのは先輩ですから!ね!」
貴「!!」
わたし?
285人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
癒秘松(プロフ) - 面白いです!頑張ってください! (2020年2月15日 21時) (レス) id: 362f189d15 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 続きが気になる! (2020年2月10日 1時) (レス) id: 12db53baf5 (このIDを非表示/違反報告)
むゆな - 続きが気になる!変更頑張ってください! (2020年2月2日 23時) (レス) id: 5be02e72aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなこもち | 作成日時:2020年1月31日 19時