Ep.44 ページ44
『 やっぱり 』
「 やっぱりってなんだよ 」
レイを待つ間休憩室に向かうといたのはやはりスンチョルだった
『 だってお前以外居ないでしょ 』
ミンギュはどうせ誰かしらと遊んでるんだろうしレイはまだ教室だ。
いつもならスンチョルは拗ねたような顔をするはずなのに、なぜか今日は違うらしい。
スンチョルの表情は曇ったままだった。
「… ジョンハナ」
あー、これはあまりいい話では無いようだ。
・
「 俺とレイの婚約、急かされてるんだ 」
見たくない現実、レイと俺の時間の終わりが、
もう、すぐそこまで迫っていた。
スンチョルとレイは許婚という間柄ではあったが、まだ名だけのものだった。
それが、形を持ってしまうこと。
覚悟していたはずの出来事は想像していたよりもすぐそこにあって、
思ったより残酷だなぁとどこか他人事のように思った。
『… あいつが幸せになるのが早まったならいい事じゃん、何そんな深刻そうな顔して。』
いつもの様におどけて見せる俺の目をスンチョルは捉えたまま。
「 ハナ、本当に時間が無くなってるんだよ。」
・
そんなの、前から無かったようなものだ。
入れる0.1ミリの隙間も、レイを奪える0.1秒も、
出会った時から無かったよ。
『 だからなに？ 』
俺の気持ちを知りもしないくせに。腹が立つ。
「 お前いつまでそのままでいるの？ 」
『 レイが望んでるのに、俺に何が出来るっていうの？ 』
俺には何も出来ない、何もしてはいけない。
・
電子機器大手メーカーの令嬢であるレイ。
そして財閥の御曹司のスンチョル。
何者でもない、俺。
誰がどう見たって邪魔者は一目瞭然だ
「 本当に、それでいいんだな。 」
それでいいのかなんて、愚問だよ。スンチョル。
いいわけが無い事なんて俺がいちばんわかってる。
『 …それが、いいんだよ。』
それでじゃない。それしか無いんだ。
「 俺は、お前にもレイにも幸せになってもらわなきゃ嫌なんだよ 」
『 … 』
・
「 レイの居場所は、お前の隣だよ。ジョンハナ。 」
どこまでも、ずるいなぁ、こいつは。
レイは昔からお前しか見てないのに。
そうやって、俺に未練まで残そうとするなんて。
・
こいつを嫌いになれたら楽なのに。
・
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みつき(プロフ) - 花男みをすごく感じます…！ (2022年10月19日 10時) (
レス) @page16 id: 270fe76dd3 (このIDを非表示/違反報告)
ている(プロフ) - DAMNさん» わー！初のコメント頂きありがとうございます<(_ _)>みんなさんの期待通りの展開にできるかは少し不安なのですが楽しんで貰えるよう頑張ります！ (2022年1月16日 17時) (レス) id: d53ebdb3f3 (このIDを非表示/違反報告)
DAMN(プロフ) - クプスかっこいい…次の更新楽しみです！頑張ってください！ (2022年1月16日 9時) (レス) @page18 id: 51f985e4ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ている | 作成日時：2022年1月14日 4時
