Ep.32 ページ32
『してないならしてないでいいけど、』
『でも、必死で頑張ってるんだね。』
「…お前に何がわかんだよ、」
彼は一線を引くようにそう言う。
それでも私は見たのだ。
・
『わかるよ、だってその手。タコが出来てる。』
さっき彼がサンドウィッチを持った時
偶然にも見つけた痛々しいペンだこ、
そしてそれが表す彼の努力の証。
・
私は大きな勘違いをしていたみたいだ。
彼はきっと授業なんか出なくたって、成績も単位も権力でどうにだって出来ているのだろうと何も知らずに思っていた。
でもそれは全然違う。
彼は他の生徒なんかの比にならないほどに血のにじむ努力をしているのだ。
・
『手、貸して』
「…なんで」
『いーから。貸して』
私は彼の手を無理やり取ると絆創膏を貼った。
『こんなの気休めにしかならないけど、少しはマシになるよ。』
彼は絆創膏をじっと見つめていた。
『それにしても、ここでひとり勉強なんて寂しくないの？』
「…別に。」
「俺は他の奴らと同じじゃダメだから。」
彼はそう言うとまた朝みたいにもう昼終わるぞと私を追い出した。
・
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みつき(プロフ) - 花男みをすごく感じます…！ (2022年10月19日 10時) (
レス) @page16 id: 270fe76dd3 (このIDを非表示/違反報告)
ている(プロフ) - DAMNさん» わー！初のコメント頂きありがとうございます<(_ _)>みんなさんの期待通りの展開にできるかは少し不安なのですが楽しんで貰えるよう頑張ります！ (2022年1月16日 17時) (レス) id: d53ebdb3f3 (このIDを非表示/違反報告)
DAMN(プロフ) - クプスかっこいい…次の更新楽しみです！頑張ってください！ (2022年1月16日 9時) (レス) @page18 id: 51f985e4ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ている | 作成日時：2022年1月14日 4時
