カンセツキス《エイジ》 ページ1
「この間、ツリメくんとキスしてたね」
隣で携帯を弄るAが、ボソリと呟いた。
「お前、見てたの…」
勘違いされそうだから言うけど、別に好きでツリメとキスしてるわけじゃない。
その場のノリ。
「もしかして、羨ましいとか?」
「ない!!」
口では否定するけど、実際彼女の顔には、"Yes"の文字がくっきりと滲み出ている。
わかりやすいほどに、頬が赤くなって、目が泳いで、
(俺は、そんな顔見たい訳じゃない)
君が誰かを思って赤くする頬なんて、
君の恋してる顔なんて、
見たくない。
なのに、
なんでこんなに愛おしいんだ。
「なぁ、」
まだほんのりと頬が赤い君が、俺に目を向ける。
「今俺とキスしたら、アイツと間接キスしたことになるよ」
「な、何言ってんのえいちゃん」
動揺の色を見せる彼女を、じっと見つめる。
逸らされた視線。胸が痛い。
「どーする?」
俯いたままの彼女に問いかける。
赤く染まった耳が、長い髪の間から覗く。
触れる手と手。
重ねなれた指から伝わる熱。
数秒後、重なる唇。
君が今、俺のことを思ってこのキスをしていないとしても、
それでいい。
今だけは、君を独り占めしたい。
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クロハ(プロフ) - ありがとうございます…最高です… (2017年8月7日 14時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ - ありがとうございます(´;ω;`) (2017年8月4日 18時) (レス) id: 874f7f8e04 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - クロハさん» わかりましたー! (2017年8月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
クロハ(プロフ) - またまた失礼します(*´-`)エイジ君で甘めなのお願いできますか? (2017年8月4日 2時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - 翡翠さん» 本当ですか!そういっていただけて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2017年8月1日 20時) (レス) id: 60b5c0e445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬名 郁 | 作成日時:2017年4月7日 21時