成人式《エイジ》 ページ6
高校の時、男子は皆、私のことを苗字で呼ぶのに、一人だけ名前で呼んでくる人がいた。
今でも鮮明に覚えている。
廊下で騒ぐし、いかにもチャラそうな見た目、
そして、いつも真っ赤な髪を揺らして私の名前を呼ぶ。
この声を、また聞くことになるなんて。
「Aちゃ〜ん」
「久しぶりだね」
ｷｭｯと口角を上げてこちらに近寄ってくる人、
真っ赤な髪から覗く目を細めて手を振る。
「あ、どうも」
「どうも、なんて堅苦しいなぁ」
"変わってないね〜"なんて、ありきたりな台詞を吐くその人は、たしか、エイジ君。
「Aちゃん、綺麗になったね」
「お世辞は結構です。
そちらこそ、スーツ、全然似合ってませんね」
ｼﾞﾛﾘ、と彼を睨むと、笑われた。
「ひどいなぁ、俺ちゃんと褒めたのに。
でも、本当に綺麗になったね。」
そんな恥ずかしい事をよくサラリと言えるな。
正直、面と向かってそういうことを言われるのに慣れてない私は、今とても恥ずかしい。
相手がエイジ君だからって訳ではないと思うけど。
私が黙りこくっていると、彼が口を開いた。
「もう俺ら20歳だね。」
「うん」
「でも、こうしてまた会えてよかった」
ふわりと微笑む彼に、ほんの少し、見とれてしまった。
堅苦しいスーツは彼には似合っていない。
相変わらずチャラいし、髪は真っ赤だし、
だけど何故か、昔よりもかっこよく見えた。
「LINE交換しとく？」
「しません」
おちゃらける彼をキッパリ断ると"やっぱり変わってないわ〜"なんて。
「おいエイジ〜早く来いよ」
「あ、」
「行きなよ」
彼の友達であろう人と、私を交互に見ながら少し困った顔をして、
「うん、じゃあ」
「うん、じゃあね」
片手をヒラヒラとさせて、私に背を向ける。
「ねぇやっぱり、、！」
遠くなっていく彼の背中に叫ぶと、くるりと私の方を向いて"ん？"と首を傾げる。
「ううん、なんでもない」
「そっか。じゃあね」
「うん、ばいばい」
彼に手を振ると、彼も笑顔で振り返してくれた。
その後は、お互い、友達と思い出話で盛り上がって、話すことはなかったけど、
話の途中、横でチラチラ見える赤い髪が気になって、正直あまり話の内容が頭に入ってこなかった。
(やっぱり、昔から彼はかっこよかったな)
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ボン人.おるたなー - あ!水溜りボンドだー!嬉C超えの嬉Dー!! (2017年8月11日 10時) (
レス) id: eebcc8fec2 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 鈴さん» そらちぃですね！！了解しました！ (2017年4月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - いつも小説見てます！ リクエストなんですけど…そらちぃでSになるやつお願いします。 (2017年4月4日 15時) (レス) id: 7693f00e69 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 雪丸さん» はじめくんですね！！お好みのシュチュエーションなどはありますでしょうか！？ (2017年4月4日 13時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
雪丸 - はじめしゃちょーのやつ沢山みたいです！ (2017年4月4日 13時) (レス) id: aeb3e095eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：郁 | 作成日時：2017年2月4日 21時
