堕《モトキ》 ページ37
「彼、別れてくれるって」
「あ〜〜···、そう」
深夜、
もう日付は変わっていた。
彼女が、家に来た。
「良かったね」
「うん」
俺が頭を撫でてやると、彼女は嬉しそうに微笑むから、
(痛い…)
痛い、痛い、痛い。
胸が、張り裂けるように、
痛い。
でもきっと、彼女は、俺が今どんな気持ちでいるか、知らない。
知らなくていい。
(知られなくない)
彼女と俺が、こうやって夜中、こっそり会うようになったのは、いつからだろう。
それまでは、友達だった。
至って普通の、健全な。
でも、彼女に彼氏が出来て暫くたった頃、
涙で頬を濡らすAが、家に来たんだ。
彼女の彼氏は、浮気性で、彼女を大切にしない、最低最悪の男だった。
彼女に手を上げることだってあった。
でもAは、その男がどうしようもなく好きで、好きで、
俺のところに来ては、いつの間にかふらふらとそいつの元へ帰って行く。
結局は、俺は都合の良い慰め係。
(いっそ、俺とずっといればいいのに)
なんて、言えるわけもなく。
「もう、終わりにしようか」
「えっ、」
Aの彼氏が、彼女と真剣に向き合うと言うなら、俺の役目はもう終わり。
もう、会わなくてもいいんだ。
なのに、
「なんでそんな顔するの」
濡れた瞳が、月明かりに反射して、
「…綺麗だ」
ふと、頬に手が当てられたかと思えば、
「A…っ」
唇に、彼女の熱。
「モトキ…」
ああ、嫌だ。
彼女にとって俺は、都合の良い男でしかないのに…
どうしてこんなにも、愛おしいと思ってしまうんだ。
(馬鹿だな、俺)
このままずるずると堕ちてゆく。
彼女と、これ以上の関係になる事はないのに。
「俺の女になれよ」
「…馬鹿」
彼女の口がそう動いた気がした。
首筋に印を一つ。
俺の物だって印を。
これが、せめてもの彼氏への抵抗。
まだ彼女の体温を感じていたいから、
今はこのまま____
____________________________________
いつもとは違った雰囲気のお話を書いてみました。
作者実はこういうの、結構好きです(笑)
(どうでもいい)
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ボン人.おるたなー - あ!水溜りボンドだー!嬉C超えの嬉Dー!! (2017年8月11日 10時) (
レス) id: eebcc8fec2 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 鈴さん» そらちぃですね！！了解しました！ (2017年4月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - いつも小説見てます！ リクエストなんですけど…そらちぃでSになるやつお願いします。 (2017年4月4日 15時) (レス) id: 7693f00e69 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 雪丸さん» はじめくんですね！！お好みのシュチュエーションなどはありますでしょうか！？ (2017年4月4日 13時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
雪丸 - はじめしゃちょーのやつ沢山みたいです！ (2017年4月4日 13時) (レス) id: aeb3e095eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：郁 | 作成日時：2017年2月4日 21時
