No.1のヒーロー《リクヲ》 ページ28
「次どうしようか」
「うーん」
顔を顰めて考え込むそらの隣ではしゃぐ、ツリメとえいちゃん。
それを見て頬を緩ませるりっくんと並んで歩く私。
今日は、お出かけにぴったりの遊園地日和です。
大学も春休みで暇だから皆で何処か出掛けよう、というそらの提案から今日に至る。
遊びに来たのは、定番の遊園地。
ひとしきり乗り物に乗り尽くした私たちは、次に乗るアトラクションを求めて園内を練り歩く。
「あ、お化け屋敷は？」
赤い髪がよく目立つえいちゃんが、廃病院をモデルにしたらしきお化け屋敷を指差す。
(え、待って、お化け屋敷はちょっと……)
血の気が引いていくのを感じた。
どうも私はお化けや幽霊といった類のものが苦手のようで、脳内で警報が鳴り響く。
「わぁ、楽しそう！」
ノリノリのツリメがこちらをﾁﾗﾘ、と見る。
私がお化け屋敷苦手なこと知ってるくせに。
ｷﾞﾛﾘ、と睨み返した。
「いいんじゃん？」
そらも何気に乗り気だし、困ったな。
りっくんは……
「お、面白そうだ、ね……」
(完全に顔引きつってるし……)
"レッツゴー"
ノリノリの3人に押されて、半ば無理やり列に並ばされた。
その最中に外まで響く悲鳴。
手の震えと冷や汗が止まらない。
「次の方どうぞ〜」
ツリメ、そら、えいちゃんの3人が暗闇へ消えていった。
そして遂に、私達の番が回ってきた。
隣で真っ青な顔をしているりっくんと、お化け屋敷に足を踏み入れる。
唯一の助けは入口で渡された懐中電灯のみ。
不気味な音と、ひんやりした風が肌を触る。
「わぁ！」
「きゃっ」
不気味な声と共に現れた人形に、2人して後ずさる。
「Aちゃん、大丈夫……？」
「だ、大丈夫、大丈夫」
息を整えて再び奥へと進む。
中は予想以上に暗くて、懐中電灯の小さな灯など役に立たない。
前を行くりっくんとはぐれまい、と後ろにピッタリとくっつきながら進む。
「Aちゃん、僕の手握ってな。
もしもお化けが出てきたら、僕が連れて逃げてあげるから。」
りっくんは私に背を向けたままそっと手を差し出した。
迷うことなく私はその手を掴む。
掴んだ手は震えていたけど、りっくんの背中はなんだか少し頼もしく見えた。
私の手を引くのは、ちょっぴり気弱なNo.1のヒーロー。
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ボン人.おるたなー - あ!水溜りボンドだー!嬉C超えの嬉Dー!! (2017年8月11日 10時) (
レス) id: eebcc8fec2 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 鈴さん» そらちぃですね！！了解しました！ (2017年4月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - いつも小説見てます！ リクエストなんですけど…そらちぃでSになるやつお願いします。 (2017年4月4日 15時) (レス) id: 7693f00e69 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 雪丸さん» はじめくんですね！！お好みのシュチュエーションなどはありますでしょうか！？ (2017年4月4日 13時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
雪丸 - はじめしゃちょーのやつ沢山みたいです！ (2017年4月4日 13時) (レス) id: aeb3e095eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：郁 | 作成日時：2017年2月4日 21時
