3月の弱虫《マサイ》彩優さんﾘｸ ページ24
＿＿3月の暖かい風に髪を靡かせ、貴方は今日、この学校を去るんですね。
思い出話に花を咲かせる生徒、校庭で騒ぐ生徒、泣いている生徒、
その中に、貴方はいた。
桜がぱらりぱらり落ちる度に、卒業の寂しさが胸に染みる。
言わなきゃ、言わなきゃ、と思うほどに俺の口は固く閉ざされて、自分の情けなさを知った。
「卒業、おめでとうございます」
口を開けば、零れ落ちたのはありきたりな台詞。
貴方は窓の外を見ながら"ありがとう"とだけ呟いた。
俺と、先輩、2人きりの部屋に3月風が吹き抜ける。
「この学校とも、今日でサヨナラか。
マサイくんとも、今日で……」
「そんな、悲しいこと言わないでくださいよ」
俺が笑うと、貴方もぎこちなく微笑む。
窓から吹き込む桜吹雪。なんてロマンチックなんだろう。
自分の瞳に、まるでフィルターがかかったような、そんな錯覚に陥るほど、美しかった。
「たまには、遊びに来てくださいね」
「勿論だよ」
他愛ない会話なのに、いつもと違う。
寂しくて、切なくて、胸が痛むような。
もう、会えなくなってしまう。
当たり前の日常が、明日から変わってしまうんだ。
(だったら俺は……)
貴方に伝えなくてはいけないことが、、
「先輩っ……」
「ん？」
いつもと変わらないすまし顔で、先輩は俺を見つめるから、零れそうになった言葉を飲み込んだ。
「写真、撮ってもいいですか？」
(俺って本当、馬鹿)
「うん」
カメラを構えて、レンズ越しに見える貴方の瞳は、濡れていた。
「先輩、最後ぐらい笑ってくださいよ」
「ごめ……なんか我慢出来なくて」
涙を拭う仕草さえ愛おしくて、溢れ出しそうなものをぐっと堪える。
「じゃあ、いきますよ」
＿＿＿「はい、チーズ」
簡単な言葉さえ伝えられない俺は、3月の弱虫だ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
3月になると、急に寂しさに襲われますよね。
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ボン人.おるたなー - あ!水溜りボンドだー!嬉C超えの嬉Dー!! (2017年8月11日 10時) (
レス) id: eebcc8fec2 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 鈴さん» そらちぃですね！！了解しました！ (2017年4月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - いつも小説見てます！ リクエストなんですけど…そらちぃでSになるやつお願いします。 (2017年4月4日 15時) (レス) id: 7693f00e69 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 雪丸さん» はじめくんですね！！お好みのシュチュエーションなどはありますでしょうか！？ (2017年4月4日 13時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
雪丸 - はじめしゃちょーのやつ沢山みたいです！ (2017年4月4日 13時) (レス) id: aeb3e095eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：郁 | 作成日時：2017年2月4日 21時
