飽和状態《ぺけたん》 ページ20
気付いたら暖かくなっていた。
もうすぐ春が来る。
大学のベンチでぼんやりと蕾を付け始めた桜の木を眺めていた。
暑すぎることもない、心地よい気温に目を細める。瞼を閉じていても眩しい太陽の光が体を包む。
「ひなたぼっこ？」
不意に声をかけられ、瞳を開ければ、そこに立っていたのは、すらりと背の高い大学の先輩だった。
「はい、まぁ」
素っ気ない返事を返した後で。"可愛げがないな"と自負する。
「もうすぐ春だもんね」
「はい」
「春は好き？」
「ええ、割と」
"そっか〜"と漏らして、先輩は私の隣に腰を下ろした。
急に距離が近くなって、なんだか落ち着かない。胸の当たりがそわそわする感覚。
それがなんなのかは、私には分からないけれど。
「俺はやだなぁ」
「そうですか」
「だって花粉症あるじゃん」
目を擦りながら、"もうやだ〜"なんて言う先輩を私は黙って見ていた。
「人間の体内にはコップがあって、花粉を吸い込む度にそのコップに水が溜まっていく。
ある日突然、そのコップがいっぱいになって溢れる。その瞬間花粉症になるんだって」
「はぁ、」
一応相槌を打って、再び先輩の話に耳を傾けた。
「それやじゃない？
知らない内に溜まってて、自覚した時にはもう止められないの」
「なんか、恋の話みたいですね」
"え？"と先輩が笑う。
目が合って尋ねられる。
「Aちゃんは、恋してるの？」
「んー、秘密です」
私がそう返すと、先輩は少し残念そうに笑った。
そんな顔しないで。
(きっと、単純な私はそんな事でも期待してしまうから。)
切なさが胸いっぱいに広がる。
「先輩、卒業しちゃうんですよね」
「うん、そうだね」
(嫌だな)
「もう、会えなくなっちゃいますかね」
「んー、それはどうだろう」
胸の中のコップは、もう飽和状態。
もうすぐ溢れてしまうわ。
そしたらもう、止められなくなってしまうから、どうかこのまま＿＿
かわいい《ツリメ》もも@Youtuber好きさんﾘｸ→←I miss you《ンダホ》もも@Youtuber好きさんﾘｸ
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ボン人.おるたなー - あ!水溜りボンドだー!嬉C超えの嬉Dー!! (2017年8月11日 10時) (
レス) id: eebcc8fec2 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 鈴さん» そらちぃですね！！了解しました！ (2017年4月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - いつも小説見てます！ リクエストなんですけど…そらちぃでSになるやつお願いします。 (2017年4月4日 15時) (レス) id: 7693f00e69 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 雪丸さん» はじめくんですね！！お好みのシュチュエーションなどはありますでしょうか！？ (2017年4月4日 13時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
雪丸 - はじめしゃちょーのやつ沢山みたいです！ (2017年4月4日 13時) (レス) id: aeb3e095eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：郁 | 作成日時：2017年2月4日 21時
