唇に愛を《シルク》 ページ1
朝、目が覚めて、右腕に温もりを感じる。
起き上がろうとしても彼が腕に抱きついているせいで重い。
「シルク、起きて」
肩を揺すって起こそうとするものの、彼の瞼が開く気配はない。
小さく溜息を落として、枕元に置いておいた携帯で時刻を確認する。
「え、」
画面に映し出された"10:12"の文字。
「ちょっ、シルク起きて！もう10時！」
慌てて彼を叩き起す。
今日は二人で出掛けようと約束していたのだ。
しかし、見事に二人して寝坊。
「ん……何？痛いよ」
目を擦り、ゆっくりと起き上がるシルク。
やっと腕を解放され、急いで出かける準備を始める。
「シルクは着替えてパン焼いて！」
キッチンから眠たそうな声で"はーい"と聞こえた。私は洗面台に向かい、メイク道具を揃える。
簡単に下地を塗り終え、グロスを手に取った。
「A、何してんの？」
隣のキッチンからシルクが顔を出す。
「メイクだよメイク」
「おー、グロス俺が塗ってやるよ」
"ﾆﾋﾋ"と笑って私の腕からグロスを奪う。
「え、ちょ、時間ないんだから」
取り返そうとすると"いいからいいから"と強引に押さえつけられる。
目を細めて私の唇にグロスを塗り始めた。
彼の顔がすぐ側にあって、吐息がかかる度擽ったい。
こんなに距離が近くなることは滅多にないものだから、心臓がわかりやすいほど反応する。
「おっしゃ、出来た」
にぃ、と口角を上げ、わたしを鏡の方に向かせる。
「うわ、何これ」
大幅に唇からはみ出したグロス。
それはまるで、
「シルクみたい」
「なんだと」
鏡に映るシルクが、顔を顰める。
二人並んでタラコ唇なのが可笑しくて、笑いが漏れる。
「そんな事ばっか言ってるとチューしちゃうぞ」
体を再び彼の方へ向けられ、ｸﾞｲ、と顔を近づけられる。
「別にいいよーっだ」
「んじゃ遠慮なく」
「えっ、」
予想外の反応に思考が停止。
近づく彼の顔、結局なにも抵抗出来ずに、
そのままキスされた。
さっき塗ったばかりのグロスを拭い取るような、そんなキスだった。
唇が離れると、彼はいつも通り無邪気に微笑んだ。私もつられて笑った。
「もう、出掛けなくてもよくね？」
「えー、映画見たい」
「しょうがねぇな〜」
その後は結局、二人で手を繋いで映画を見に行きました。
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ボン人.おるたなー - あ!水溜りボンドだー!嬉C超えの嬉Dー!! (2017年8月11日 10時) (
レス) id: eebcc8fec2 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 鈴さん» そらちぃですね！！了解しました！ (2017年4月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - いつも小説見てます！ リクエストなんですけど…そらちぃでSになるやつお願いします。 (2017年4月4日 15時) (レス) id: 7693f00e69 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 雪丸さん» はじめくんですね！！お好みのシュチュエーションなどはありますでしょうか！？ (2017年4月4日 13時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
雪丸 - はじめしゃちょーのやつ沢山みたいです！ (2017年4月4日 13時) (レス) id: aeb3e095eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：郁 | 作成日時：2017年2月4日 21時
