time waits for no one<Masai> ページ7
吐息が混ざる。
12月、それも下旬。
年末に掛けて厳しくなる寒さ、
肌を刺すような外気が、息を白くさせる。
「寒いね」
首に巻いたマフラーに顔を埋めながら、隣にを歩く君に声をかけた。
「うん」
12月、もう後半。
長いはずの二学期が終わり、明日から冬休み。
それと同時に近づくのが、"卒業"だ。
得体の知れない淋しさが、何処からか湧いて出てくる。
それはこの寒さのせいなのか、それとも…。
卒業したら、きっと会えなくなっちゃうんだろうな。隣をそっと覗いた。
そこに居たのはいつもの君。
前を見据えるその横顔が、愛おしく感じてしまうようになったのは、確か、入学してすぐだった気がする。
"一目惚れ"という奴かもしれない。
でもあれから、今この瞬間まで、愛おしい気持ちは消えることがなかった。
本気で君に惚れ込んでしまったよ。
きっとこのまま、今日家に帰ってしまったら、卒業まで何も変わらない気がする。
貴方とは、もう会えない関係で終わってしまうの?
こんなんでいいのか、高3の冬…!!
「あのさ…」
君の瞳が、こちらに向けられる。
目が合う。暫くの沈黙。
聞こえるのは、遠くを走る車の音と、貴方の息遣い、自分の心臓の音。
トクン、トクン、と規則正しい、いつもより速めの音。
「あのさ、」
口を開いたのは、君。
「手、繋がない?」
差し出された君の手、
私よりもずっと大きな手。
それが私の手を掴む時、君は何を思っているの?
「好き」
「俺も。」
後もう少しで、今年も終わり。
time waits for no one_
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吉田(プロフ) - ハム太郎さん» りょーかいです!遅くなってしまうかも知れませんが、書かせていただきます! (2017年1月30日 0時) (レス) id: 93b652cbb9 (このIDを非表示/違反報告)
ハム太郎 - 突然リクエストすみません!ダーマ君のツンデレと、ちょっとした口喧嘩みたいな感じお願いします! (2017年1月24日 23時) (レス) id: 0d5f2094d5 (このIDを非表示/違反報告)
吉田(プロフ) - くるみんさん» 読んでいただきありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです……!!また是非よろしくお願いします! (2017年1月19日 18時) (レス) id: e763583aca (このIDを非表示/違反報告)
くるみん(プロフ) - きゃぁぁぁぁぁ!ありがとうございます(泣)めちゃくちゃキュンキュンしましたリクエスト答えていただけて嬉しいです!またよろしくお願いします!つぎの更新楽しみにしてますね (2017年1月19日 18時) (レス) id: 17d8573057 (このIDを非表示/違反報告)
吉田(プロフ) - kinoさん» わぁぁぁ……!!いつも読んでいただき誠にありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです……メンバーさん一人一人個性豊かなので、それを出して行けたらなと思っています。 (2017年1月19日 0時) (レス) id: 93b652cbb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:郁 | 作成日時:2016年12月26日 0時