▽谷口 ページ31
今日、眼鏡を買った。
前々から視力が落ちてきていることは分かっていたけど、なかなか時間が無くて買えずにいた。
だけど今日やっと買えた。
そっと、買ったばかりの眼鏡に触れる。
黒縁のシンプルな眼鏡。
よく分からずに買ってしまったけど、果たして似合うのだろうか。彼は私の眼鏡姿を見て、なんて言うだろうか？
改めて、眼鏡をかけてみる。
一瞬にして視界良好。ボヤけていた世界が綺麗に目に映った。
鏡の前に立つと、向こう側の私はいつもと違って、ちょっと変な感じがした。
ハッと時計をみると、もうすぐ4時。
急がなきゃ、
荷物をまとめて家を出た。
「おぉ、」
久々の彼の家。
思った以上に薄いリアクションに少し戸惑いながらも、彼の隣に腰を下ろした。
「眼鏡、今日買ったの。
前から買おうとは思ってたんだけど、なかなか時間が無くてね。」
「そうなんか」
そこで会話は途切れ、彼の視線は私からTVの画面へ。
私もそんな横顔を見てから、画面に目を移した。
暫く時計の音とTVの音だけが部屋に響いていて、ふと、彼が口を開いた。
「なぁ」
「ん？」
「ちょっとこっち向いてや」
そう言われ、目線だけ彼に戻す。
すると、彼は私の眼鏡をするり、と外して
「眼鏡のAもええねんけど、やっぱこっちの方がええな。」
何を言うかと思えば、
真面目に照れるじゃない。
ねぇ、貴方はどんな表情をしてるの？
だけど、視界がぼやけて何も見えない。
照れてるの？それともニヤけてる？
「見えない。これじゃあまぐちゃんの顔が見えないじゃない。」
手探りで彼の頬に触れる。
ｺﾄ、と机に眼鏡を置く音がして、それから、
「んなら、俺が見える様に近づけばええか？」
ｸﾞｲ、と顔を近づけてきたけどやっぱりボヤけてる。
よくは見えないけど吐息がかかるほど、彼の顔が近くにある事はわかった。
「見えないってば……」
「うるさいなぁ」
一瞬、時が止まったかと思った。
感じるのは彼の体温と、唇。
触れたままの手から伝わる熱、
きっと彼も同じ。
私と同じ様にドキドキしてるはず。
コンタクトにしとけばよかった。
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アソパソマソ - 古賀さんが告白するのを読みたいです。 (2017年7月29日 12時) (
レス) id: a0dcacaca2 (このIDを非表示/違反報告)
首藤(プロフ) - リクエストありがとうございました！！文章まとまり無さすぎてすみません……読んでいただきありがとうございました！！ (2016年11月17日 19時) (レス) id: e763583aca (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - リクエスト書いていただき本当にありがとうございました！とても感動しました…( ´^`° ) (2016年11月17日 18時) (レス) id: 4c26696416 (このIDを非表示/違反報告)
首藤(プロフ) - あっぷるさん» リクエスト誠にありがとうございます！書かせていただきますね！ (2016年11月13日 22時) (レス) id: e763583aca (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる - 義勝が、彼女とデレデレしてるのを読みたいです！笑 (2016年11月13日 22時) (レス) id: 2783465865 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：郁 | 作成日時：2016年10月12日 18時
