帰路2 ページ8
二人きりの帰路。
大好きな、大好きなKEYTALKの、八木さんが今隣にいるなんて、一緒にこの道を歩くことになるなんて、昨日までの私は思いもしなかっただろう。
無言の夜道。街頭に照らされた八木さんがなんだか、キラキラして見えた。
(明るい髪色のせい?それとも、、)
アルコールで侵された脳が、夜風で冷やされる。
八「ごめんね、義勝じゃなくて」
今まで黙り込んでいた八木さんが、ポツリと呟く。
「そ、そんなことないです…!!!
送っていただけるだけで、十分です」
何故か申し訳なさそうな顔をする八木さんに、慌ててそう返す。
八「そっか…」
「それより、八木さんは打ち上げ抜けてきちゃって大丈夫だったんですか?」
八「いいのいいの、気にしないで。
そもそも俺が送るって言ってAちゃん誘ったんだから」
ふんわりと、あの可愛らしい笑顔を見せる八木さん。
間近で見るその笑顔に、思わずドキリと胸が鳴る。
ずっと見ていられなくて、つい目を逸らしてしまった。
八「Aちゃんは、今いくつ?」
右耳から聞こえるその声に、「23です」と返す。
八「大学生か…」
「…はい」
八「若いね〜」
「八木さんだって、いくつも変わらないじゃないですか」
八「俺はもう、おっさんだよ」
静かな夜道に、二人の笑い声。
「……ね、手、繋いでもいい?」
返事を返す前に握られた右手。
心臓が壊れちゃうんじゃないか、ってくらい飛び跳ねて。
アルコールでふらふらの頭に追い打ちをかけるように、緊張とドキドキが脳を満たす。
近すぎる距離に、もう息もできない。
沈黙が続く帰路。
徐々に近づくアパート。
長い長い帰路が、もうすぐ終わる。
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かがり - すごくドキドキします！ (2018年5月14日 22時) (
レス) id: 54ed562f4c (このIDを非表示/違反報告)
りー - 楽しませてもらってます!! (2018年1月14日 0時) (レス) id: 09856dbee7 (このIDを非表示/違反報告)
りー - いえいえ!! (2018年1月13日 23時) (レス) id: 09856dbee7 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - りーさん» コメントありがとうございます!!!そういったお言葉とても励みになります!!!頑張ります!!! (2018年1月3日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
りー - めっちゃ面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年1月3日 15時) (レス) id: 09856dbee7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：郁 | 作成日時：2017年10月24日 23時
