No.1 ページ2
いつものようにベランダに出てみてはふとため息をこぼす
こんな静かな夜が好きだったりする
A「……ねぇ、貴方私もうこんな世の中に飽き飽きしているのよ。私だけが不老不死だなんて神様はきっとどうにかしているのね」
最近見るニュースで世間を賑わせているのは探偵やら怪盗やらそんなのばかり
A「生まれ変わっても……だなんて言って期待させておいて貴方全然迎えに来てくれないじゃないの……………酷い人」
月明かりに照らされた母の形見である輝くサファイアのネックレスをちらりと見ては再びため息をもらした
A「さてと…寝ようかしら。明日も取材が入っているし」
彼女が中に入ろうとしたその時だった
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?「今晩は、お嬢様」
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彼女は声のする方へと体を向けた
A「あら、噂の怪盗さんね。はじめまして」
キッド「私を見て驚かないとは…面白いお方ですね」
A「ふふっそうかしら。貴方のような坊やに驚くも何もないわ」
キッド「ええそのようで」
''ですが私は坊やではありませんよ?''
ベランダの手すりからAの前に飛び降りてはこう耳元で呟くキッド
''あらどうかしら?私からしたらまだまだ坊やよ?''
とAもキッドの耳元で呟く
キッド「……(このキザっぷりに動じないとは)」
少しポカーフェイスが崩れそうになったがなんとか保った
いつでも冷静かつキザなのが怪盗キッドであるからだ
A「それで今日のご用件は」
キッド「先日テレビにて貴方をお見かけいたしまして今日はその……」
A「貴方の狙っている物ではないけれど私からのプレゼント」
と言いAはキッドの首にネックレスをさげてやった
キッド「え?」
A「ふふっそれは母の形見…けれどねもうこんなに長い事生きているとそういう物も必要なくなるのよ」
''私、この世にもう飽きているの''
キッド「飽きている……ですか」
A「ええ貴方が来てくれた事も私にとってはそんなに衝撃的な事じゃないわ」
キッド「それほど沢山の出来事が生きている間にあったと…」
A「そんな感じよ。次私が驚くとしたらそれはそうねぇ……………」
''この世が滅びる時くらいかしら''
そう言って微笑む彼女は宝石よりももっと美しかった
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作者名:ほのか | 作成日時:2017年6月25日 20時