No,1 ページ3
その日は朝からやけに気分が悪かった
何か起こりそうな胸騒ぎがしていた
ガチャ
開いたドアの方を見るとダズが立っていた
クロ「……ひとつ聞いていいか…、その腕に抱えた女は誰だ」
ダズ「拾いました」
こいつが餓鬼を連れてきただと…？
さっきの胸騒ぎの元凶はこいつか
クロ「おいガキ、気持ちよさそうに寝てねぇで起きやがれ」
と言い鼻をつまんでやると
A「…いたい…、降ろして下さい」
ダズの手から降りると生意気そうに俺を見上げた
クロ「ダズ、お前は出て行け」
ダズは静かに立ち去った
クロ「…で、お前は誰だ」
A「Aです」
クロ「用件は」
A「特にありません、失礼でしたら出て行くんで」
クロ「ああ、失礼だ………が、お前がどこから来たかは知りたい」
A「………ネバーランドを追放されました」
クロ「こりゃまた、聞いたこともねぇ島だな」
A「地図にもありませんから」
クロ「どうして追放された」
A「大人になってしまったからです」
クロ「まだてめぇはガキじゃねぇか」
A「ネバーランドでは10歳から大人なんです。普通あの島では、6歳で成長がとまるはずなのですが、どういうわけか私はとうとう15歳にまでなってしまい(((てめぇを追放した奴ぁ、誰だ」
A「ピーターという少年です」
クロ「まあ、よくわからねぇが行くあてもねぇんだろ？(にや)ここに置いてやっても構わねぇが…」
するとそいつは立ち上がり、俺の元へと歩いてきた
そして鉤爪を優しく撫でた
A「………船長…」
ぽつりとそいつが言葉を吐く
クロ「お前も海賊か」
A「10歳から上に成長すると子供のなり損ないとして、海賊にならなければならないのです」
クロ「海賊は…、嫌か……？」
A「いいえ、平和ボケした連中よりはよっぽど好きです。船長も鉤爪をしていました、とても良い方でしたよ……お亡くなりになりましたけど」
目を伏せ懐かしそうに悲しそうに話すそいつの頭をくしゃりと撫でた
クロ「これからは、俺の隣で強くなれ………、明日服を買いに行く。そんな子供用の服じゃ動き回るのも不便だろうよ」
A「…はい、ありがとうございます」
クロ「それから敬語もよせ、てめぇはまだ完全な大人じゃねぇんだ。気は遣うもんじゃねぇ」
こくりと頷くA
少しは笑いやがれ、クソガキが
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作者名：ほのか | 作成日時：2017年5月10日 21時
