ずるいのはどっち ページ16
A「…これが、利吉さんが望むお礼の形なんですね」
利吉「あぁ、すごく気分がいい」
私の業務がお休みの日。
私は、利吉さんと町へ降りて一緒に団子を食べている。一体全体、どういう状況なのだろうか…。いつも美味しく感じる団子の味が、いまいちつかめれない。
熱を出して、倒れたあの日。
利吉さんは、私の手をそっと握りこうつぶやいた。
利吉「君と一日、共に過ごしたい。一日休暇が取れたんだ、だめかな」
なんて、捨てられた子犬のようなまなざしでこちらを見るものだから、思わず私は首を縦に振ってしまったのだ。偶然にも、私はその日一日休暇だったので。
利吉さんと丸一日デートをすることになったのだ。
また一口。ほんのり甘い団子を頬張る。
何やら視線を感じるな、と横を見ると利吉さんがこちらをずっと見ていたようだ。ぐ、と団子が変な所へ入るところだった。
A「ど、どうしました」
利吉「いや…普段、君とは数分しか会話できないのに今日は一日ずっと一緒にいられると思うと…」
ずず、と言いにくそうに彼は茶をすする。
思うと？と、私が続けていい首をかしげると
利吉「なんだか、すごく嬉しくてね」
頬が、少し赤くなっているのが見えた。
利吉さんは、常にスマートで周りの生徒からも憧れのプロ忍者
そんな彼の初めての一面を見て、私もつい顔が熱くなる
それが、悟られないようにふいと横を向いてまたお団子を食べる
A「なら、よかったです…」
なんて、他人行儀なことを言うのだ。
可愛くない性格。
利吉「今日は楽しもう。君が行きたいところすべて連れていくよ」
A「いや、今日は利吉さんへのお礼ですし…」
心のどこかで、今日の利吉さんとの一日を楽しみにしていた自分がいる。
けれど、まだ…この気持ちは
A(知ってしまったら、きっと歯止めが利かなくなる)
私はまた傷つくのが怖い。
ことん、と皿の上へ団子の串を置いた
秋の涼しい風が、鼻を通ったのを感じながら。
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小桜(プロフ) - 利吉さんも夢主ちゃんも可愛すぎて、めちゃくちゃキュンキュンしました！恋してる２人、最高です！ (2022年1月14日 17時) (
レス) @page26 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
てぃむ(プロフ) - シャボンさん» シャボン様コメントありがとうございます。更新遅くなって申し訳ありません、ぼちぼち更新していきます！ (2021年5月5日 2時) (レス) id: b23272bc02 (このIDを非表示/違反報告)
シャボン(プロフ) - めっちゃキュンキュンしました！！！利吉くん最高！更新待ってます！！ (2021年3月23日 2時) (レス) id: 6f7993ebf5 (このIDを非表示/違反報告)
てぃむ(プロフ) - あみんさん» 嬉しいです！ありがとうございます。生徒たちへの反応はこれからのお話で分かるので、どうぞご期待ください！ (2021年1月9日 0時) (レス) id: b23272bc02 (このIDを非表示/違反報告)
あみん(プロフ) - なんか話が続くつれに胸がキュンキュンしてやばいです！生徒達の反応が気になります！！応援しています！ (2021年1月6日 20時) (レス) id: ace2dffc29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てぃむ | 作成日時：2020年9月6日 2時
