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次に起きた時は、世界が少し薄暗くなっていた。私、また寝ていたんだ。
熱もだいぶ落ち着いたのか、少しだけ体が動く。新野先生を探すため、上半身だけ起こすと
A「…え？」
私はいま目に映った光景が、うそのように見えた。
”利吉さん”が、私の隣で規則正しい寝息を立てながら寝ているのだ。私はまだ寝ぼけているのだろうか。混乱で、「え、え」と声にならない言葉を発していると
利吉「…ん」
利吉さんが、目をゆっくりと開けて体を起こす。起こしてしまった！！私はまた慌てていると、彼は優しい笑みを浮かべる
利吉「起きたんだ。だいぶ良くなったんだね」
A「は、はいだいぶ…」
それはよかった、と彼はまた言う。
なぜ、彼は私の隣に。しかも寝ていて…頭がまったく追いつかない。混乱している私を見て、彼は察したのだろう
利吉「新野先生の代わりに私が看病をしていたんだ。夕方から出張だったらしくてね」
A「あ。あぁ…だから、」
利吉「それに」
それに？私が首をかしげると、勝手に自分の右手が上に上がった。
そこを見ると、利吉さんと私の手がつながれていたではないか。
利吉「君に手を握られちゃ、帰るにも帰れなかった」
と、いじわるそうに笑う。
私は、カーっと顔が熱くなり弾けるように彼から手を離した。手をつないでいたなんてまったくもって気づかなかった。恥ずかしすぎて死んでしまいそうだ。
私は何度も利吉さんに頭を下げ
A「本当に誘拐から、風邪の看病までたくさんご迷惑をおかけしてすみません…！」
利吉「いいさ、私が好きでしていることだ」
布団の上で、利吉さんに何度も謝る姿はまさに滑稽だろう。
ぎゅ、と白い布団を掴み私はこう言った。
A「…あの、利吉さん。お礼がしたいんです」
利吉「お礼？」
きょとんとした顔が視界に広がる。
誘拐犯から助けてもらった上に、風邪の看病まで。どれくらいのお礼が、相当なものかわからないけれど迷惑かけた分。彼に何かしてあげたい。
はい、と頷き彼の目をじぃと見る。
利吉さんは顎に指を置いて、ふむと考えていた。そして、何やら口角がいやらしく上に上がった気もしたような…
すると、利吉さんは
利吉「それじゃ、君を一日レンタルしたい」
レンタル…？
楽しそうに笑う彼を、私はぼんやりと見つめることしかできなかった
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
室町時代にレンタルって言葉絶対存在しない、と思ってはいけません。
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小桜(プロフ) - 利吉さんも夢主ちゃんも可愛すぎて、めちゃくちゃキュンキュンしました！恋してる２人、最高です！ (2022年1月14日 17時) (
レス) @page26 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
てぃむ(プロフ) - シャボンさん» シャボン様コメントありがとうございます。更新遅くなって申し訳ありません、ぼちぼち更新していきます！ (2021年5月5日 2時) (レス) id: b23272bc02 (このIDを非表示/違反報告)
シャボン(プロフ) - めっちゃキュンキュンしました！！！利吉くん最高！更新待ってます！！ (2021年3月23日 2時) (レス) id: 6f7993ebf5 (このIDを非表示/違反報告)
てぃむ(プロフ) - あみんさん» 嬉しいです！ありがとうございます。生徒たちへの反応はこれからのお話で分かるので、どうぞご期待ください！ (2021年1月9日 0時) (レス) id: b23272bc02 (このIDを非表示/違反報告)
あみん(プロフ) - なんか話が続くつれに胸がキュンキュンしてやばいです！生徒達の反応が気になります！！応援しています！ (2021年1月6日 20時) (レス) id: ace2dffc29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てぃむ | 作成日時：2020年9月6日 2時
