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A「あ、利吉さん」
食堂に入ってきたのは、忍術学園の教師である山田先生。の、息子の山田利吉さん。
彼はよく山田先生を家に帰らせるためや洗濯ものを取りに来たりとよく学園に来る。たまに生徒たちに指導を行っているようで。
私も、事務員になってから彼とよく関わるようになった。年も近いことがあって、よく話も合う。
利吉「おや、Aさん。食堂にいたのか」
利吉さんは、ゆっくりと私の泣きはらした顔を見て、手に持った湯飲みを見た。そして、指を顎に当てて
利吉「…また、男に騙されたのか」
A「またとは何ですか、またとはぁ！」
利吉さんの御存じである私の男運の無さ。すると、彼は息を吹き出し楽しそうに笑うのだ。
こんな意地悪な顔、年が近い私にしかしないのだろうか。生徒の前では憧れのかっこいい利吉さんである。だけど、結構自分の前ではよく笑う年相応の男の子って感じだ。
「山田先生なら外で実技の授業してるんじゃないかしら。Aちゃん、案内してあげて」
A「はぁい」
ゆのみをおばちゃんに渡して、私と利吉さんは食堂をあとにした。
ぎし、と木の廊下が私たちが歩くたびきしむ。
A「今日はどのようなご用事で山田先生に？」
利吉「母上が帰ってこいとうるさくてね」
A「あぁ〜、いつものことですね」
と、何でもない会話。今日は天気が良くて暖かい。
利吉「で、今回はどんな男に騙されたんだい」
A「う、利吉さんって本当にデリカシーないですね」
妻子持ちだったんです、と言うと彼はまた笑うのだ。
本当に男運がなくて面白い、と言う。ひどいな、と私は頬を膨らませる。
A「利吉さんは人気があるから相手には困らないですよね。うらやましいです」
何て、ぽろっというと何やら彼の眉がぴくりと動いたように見えた。そして、どことなく寂しそうな笑顔を見せて
利吉「本当に好きな人じゃないと、心は空っぽのままだよ」
と、言った。
男前が言うから、何やら現実味が増す。
A「私も早く、運命の人に出会いたいです」
利吉「…そういうのって、案外近くにいるって聞くよ」
え！？と、利吉さんの方を向いた。
すると、利吉さんは明後日の方角を見ながら
利吉「けれど、君の男運の無さじゃいつになるかわらないな」
A「り、利吉さんって本当にいじわる」
なんて意地悪そうに笑うんだろうか、利吉さんって。
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小桜(プロフ) - 利吉さんも夢主ちゃんも可愛すぎて、めちゃくちゃキュンキュンしました！恋してる２人、最高です！ (2022年1月14日 17時) (
レス) @page26 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
てぃむ(プロフ) - シャボンさん» シャボン様コメントありがとうございます。更新遅くなって申し訳ありません、ぼちぼち更新していきます！ (2021年5月5日 2時) (レス) id: b23272bc02 (このIDを非表示/違反報告)
シャボン(プロフ) - めっちゃキュンキュンしました！！！利吉くん最高！更新待ってます！！ (2021年3月23日 2時) (レス) id: 6f7993ebf5 (このIDを非表示/違反報告)
てぃむ(プロフ) - あみんさん» 嬉しいです！ありがとうございます。生徒たちへの反応はこれからのお話で分かるので、どうぞご期待ください！ (2021年1月9日 0時) (レス) id: b23272bc02 (このIDを非表示/違反報告)
あみん(プロフ) - なんか話が続くつれに胸がキュンキュンしてやばいです！生徒達の反応が気になります！！応援しています！ (2021年1月6日 20時) (レス) id: ace2dffc29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てぃむ | 作成日時：2020年9月6日 2時
