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あれから私を檻から出したあの人は、私の事でぎゃーぎゃーと騒ぐ村人を簡単に宥めると手を繋いだまま今いる大きな屋敷へと私を連れ帰った。



メイドのような人に案内されて、お風呂に入った後清潔な服に肌を通し、綺麗に髪も結わえられる。



少し一息ついたところで案内された先には私を助け出したあの人がいた。



「ああ、綺麗になったね。」
「あの、、。」
「取り敢えず座りなさい。」



一体どういうことかと困惑する私を窘めるようにこの人は私を座るように促した。私は狼狽えるように座る。



「驚いたかな。」
「はい、何で、」
「僕の体はね、生まれつき太陽に弱いんだよ。」



そして、それは君もだよ。と突然脈略もない話が始まる。はぁ、と気の抜けた返事が思わず出てしまった。



「私はまたちょっと違うんだけど、君は白子(アルビノ)。生まれつき色素を持たないんだよ。だから肌も脆い。目も、見えにくいだろう?」
「あ、はい。」



あの暗い小屋の中ではあまり気付かなかったが、ここに来るといろんなものがぼやけて見える。




「その白子の子が閉じ込められてる、って聞いて可哀想だなって思って、今ここ。」
「あ、ありがとうございます。」



同情、なのだろうか。あまり表情の読めない顔をしているからか、本気なのかはよく分からなかった。



「私の名前はシカマ・ドゥ。君の名前は?」
「、、、、ないです。」
「そう、ならつければいい。何がいいかな?」



何か要望はある?と問われるがそもそもどんな名前があるか分らないので首を傾げるしかない。



「うーん、じゃあクララ。クララにしよう。君はお人形のように可愛らしいから、お人形みたいな名前。どうかな?」
「それで、、。」
「淡白だなぁ。」


あはは、と感情の無い声色で笑う。その時は不思議と、怖さを感じなかった。



「クララは今日から私の養女として過ごしてもらうよ。だから私の事は『お父様。』って呼ぶようにね。」
「はい。」



家族がどういう物か私には分らない。血のつながりなんて家族には大して重要じゃないことぐらい知っている。



だから、この人がお父様になると言われて感想は無い。でも、あの小屋にいた時よりは少しだけ、愛情に包まれている気がして。



それが私には、狭い世界中の何物を差し置いても嬉しかった。

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Reina(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!私生活の方が忙しくて中々時間が取れなかったのですが、そう言っていただけるととても嬉しいです。頑張ります! (2021年10月24日 19時) (レス) id: b4ccc6a785 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 更新お久しぶりです!もう更新しないのかなぁと少し不安になってましたがありがとうございます!ほんとにこの小説面白くて大好きです!無理だけはせずにこれからも頑張って下さい! (2021年10月24日 3時) (レス) @page26 id: 9bb0d4787d (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - いつも楽しく拝見させていただいております。更新を楽しみにしてお待ちしております!頑張ってください! (2021年7月18日 17時) (レス) id: e5f7c718e0 (このIDを非表示/違反報告)
Reina(プロフ) - れんさん» ありがとうございます (2021年5月25日 16時) (レス) id: b4ccc6a785 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ご対応頂きありがとうございます!これからも更新楽しみにしております。季節の変わり目ですのでお身体にはご自愛くださいませ。 (2021年5月25日 1時) (レス) id: cf8acd5d9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Reina | 作成日時:2021年2月11日 2時

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