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できるだけ原作沿いにしようと頑張りましたが、交流会編ではかなり結末が変わります。
それでも良いよ、というふうに思ってくださる方はこの先を読んでいただけると幸いです。
(敵サイド以外にキャラで死人は出ません。)



<><><><>



「恵、二人を連れて一旦離脱しなさい。恐らくこの帳は、彼以外なら出入りできるでしょう。」
「、、、、大丈夫なのか?」
「ええ、勿論。」



私は剣の先を呪霊に向けて牽制しながら、後ろの三人に声をかけた。



「だが、、」
「くどい。この状況下で悟が来ていないということはそれ相応の相手ということ。良いから引きなさい。」
「、、、しゃけ。」



棘は二人の袖を引っ張り一言二言喋ると、二人も納得するように頷いて帳の外を目指して走って行った。



『おや、逃がしてよかったのですか?』
「ええ、いいの。貴方に余計なことを喋られても困るしね。ねぇ、貴方、()のお仲間でしょう。」
『分かっていましたか。夏油がこの前勧誘したように、今回の目的は貴方でもあります。』
「そのお誘いは断ったわ。」




勧誘しに来ても無駄よ。と私は微笑む。そして高らかに両手を広げた。



「さあ、戦いましょう。この世界の私が勝てる相手で今のところ一番強いのよ、貴方は。だからすごく楽しみなの。」



血が騒ぐ。深い深い呪いに染まった真っ赤な血液が躍動していてもたってもいられない。ふふふ、と自然な笑みが溢れる。



そして一瞬で間を詰め、私はレイピアの矛先を呪霊の首筋に当てた。呪霊は驚いたように慌てて距離をとる。



『夏油の言っていた通りですね。』
「あら、彼はなんて言っていたのかしら。」



気になるわ、と私は呪霊の耳元で囁いた。レイピアを優雅に振り回しながら攻撃を躱していく。木の根のようなものが次々と急所を目掛けて飛んできた。



スローモーションのように見えるそれを私は何なく躱して行く。そのまま流れるような手つきで相手の肩から先を切った。


『っ、、、、』
「ねぇ、どうせこれも陽動でしょう?貴方達はもっと大きなことをしようとしている。」



強大な力を持った者の世界への革命の末路を私は知っている。それがどれほど恐ろしく、虚しく、残酷さに塗れた、どうしようもない悲哀に満ちた物語だということを。



『私たちは人間の地位が欲しいだけ。そして人間がいない時間が世界には必要なのです。』



私の問いに呪霊は淡々と答えた。

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Reina(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!私生活の方が忙しくて中々時間が取れなかったのですが、そう言っていただけるととても嬉しいです。頑張ります! (2021年10月24日 19時) (レス) id: b4ccc6a785 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 更新お久しぶりです!もう更新しないのかなぁと少し不安になってましたがありがとうございます!ほんとにこの小説面白くて大好きです!無理だけはせずにこれからも頑張って下さい! (2021年10月24日 3時) (レス) @page26 id: 9bb0d4787d (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - いつも楽しく拝見させていただいております。更新を楽しみにしてお待ちしております!頑張ってください! (2021年7月18日 17時) (レス) id: e5f7c718e0 (このIDを非表示/違反報告)
Reina(プロフ) - れんさん» ありがとうございます (2021年5月25日 16時) (レス) id: b4ccc6a785 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ご対応頂きありがとうございます!これからも更新楽しみにしております。季節の変わり目ですのでお身体にはご自愛くださいませ。 (2021年5月25日 1時) (レス) id: cf8acd5d9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Reina | 作成日時:2021年2月11日 2時

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