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「あは、弱いなぁ。」
「っ、、、。」


赤子の手を捻るように、フェリドは三人を圧倒した。レイピアを使う必要もなく、その拳ひとつで次々と三人を床へ転ばせていく。



それも三人が怪我をしないように、わざと受け身を取らせやすいように身を投げていた。



完全になめられているな、と恵は起き上がりながら額にがれる汗を拭う。これでは恐らく式神を出しても破壊されてしまうだろう。


このままでは彼の気まぐれに殺されるのがオチだ。肉体的構造も、倫理観も何もかもが違うと、そしてどれだけクララが理性的な吸血鬼であるかが目の当たりになった。


ならば、自分ができることはこのままフェリドの機嫌を取り続けて時間を稼ぐことだけだ。


この事態を収束させることができるのは、恐らくクララか五条だけだろう。そしてクララがこの状況を見捨てることはないと恵は確信する。


恵があえて本気を出さずにフェリドに対峙すると、他の二人もその意図を汲んだように連携が取れ始める。


そうして三人の体内時計が狂い始めた頃、やっとその人物は姿を表した。


「おっと、」


戯れのように三人の相手をしていたフェリドはニヤリと笑った。そして三人の相手を辞めると今まで腰にぶら下げていたレイピアを鞘から抜く。


そして、何かを呟いたかと思うと棘が剣から生えてその腕を覆った。


三人はその異様な光景に目を見張る。そしてコツコツと響き渡る足音に安堵すると同時に、恐怖した。



「遅かったよ〜クララちゃん。」
「あら、急いで来てあげたわよ?」



クララは至って冷静だ。楽しみも、怒りもせず凪のように落ち着いていた。それが、三人には異様に映ってしまったのだ。



「それにしても、相変わらずロリコンなのね。」
「やだなぁ、人間が若鶏しか食べないのと同じでしょ?何も知らない無垢な甘い味が好みなだけだよ。、、、ああ、でもクララちゃんの血はまた飲んでみたいなぁ。さすが真祖が愛した吸血、っ、、、、、、あははそんなに怒らないでよ。」



フェリドは飛んでいった左肩を右手でキャッチするとそのまま結合する。



「随分お喋りになったのね。ああ、そういえば()も言ってたわ貴方は反抗期だって。」



その彼が誰を指すのか。二人の間では暗黙の了解だ。お互いの地雷を踏み抜いたところで、フェリドもいつもの飄々とした表情が無に戻った。

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Reina(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!私生活の方が忙しくて中々時間が取れなかったのですが、そう言っていただけるととても嬉しいです。頑張ります! (2021年10月24日 19時) (レス) id: b4ccc6a785 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 更新お久しぶりです!もう更新しないのかなぁと少し不安になってましたがありがとうございます!ほんとにこの小説面白くて大好きです!無理だけはせずにこれからも頑張って下さい! (2021年10月24日 3時) (レス) @page26 id: 9bb0d4787d (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - いつも楽しく拝見させていただいております。更新を楽しみにしてお待ちしております!頑張ってください! (2021年7月18日 17時) (レス) id: e5f7c718e0 (このIDを非表示/違反報告)
Reina(プロフ) - れんさん» ありがとうございます (2021年5月25日 16時) (レス) id: b4ccc6a785 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ご対応頂きありがとうございます!これからも更新楽しみにしております。季節の変わり目ですのでお身体にはご自愛くださいませ。 (2021年5月25日 1時) (レス) id: cf8acd5d9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Reina | 作成日時:2021年2月11日 2時

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