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突然現れた謎の人物に、周りは驚愕する。周囲が臨戦態勢とるより一歩先に、クララは剣を抜き対象に振りかざした。
「あっれぇ〜?」
へらへらと間抜けな声に、本来人間に向けられる筈だった剣は私の剣を受け止める為に必死になっている。
そのまま人間の目にも留まらぬ速さで数回剣を交わすと、私は対象の剣を持っている手から先を切り落とした。
「これは第三始祖。クララ様ではないですか。行方不明になっていると聞いてましたが、っ」
「黙れ。」
手から血を流しながらも、相変わらずペラペラと喋る口に、私は回し蹴りを決めて相手を薙ぎ倒す。
肩を足で踏んづけると、絶対零度の声がしんと静まり返った室内で響いた。
「フェリド・バードリー。何故お前がここにいる?」
「あは、相変わらずウルド様にそっくりですねぇ。」
はぐらかす物言いに、私は足の力を強くする。ひくりと引き攣った頬を冷めた目で見つめた。
「気づいたら、ここに居たんだよー?周りに血生臭い人間がいたら誰だってよくするでしょ?あー、でも僕は美しい子供がいいんだけど、ここにはいないねぇ。」
人間を捕食すると示唆した発言に私の正体を知らない人間はざわざわと騒ぎ出した。
「あれ、クララ様は正体を隠してるんですねぇ。知ってる人間も数人はいるようだけど。」
「、、、、。」
私はフェリドを抑えたまま、悟に視線を向ける。彼は疲れたように溜息をついて軽く頷いた。
「黙れ。貴方はたかが七位、私は三位。異界に来てまで煩わせないで。」
「「「「、、、っ、!」」」」
私が人外であると暗に発言したことによって空気は一変する。
今までフェリドに向かって向けられていた武器や殺気は私の方にまでやってきた。
「あら、私に刃を向けるの?」
「、、、貴方がこちらにとって無害だと証明できない。」
加茂家の嫡男は、緊迫した表情で私に弓を向ける。無害がなんだと小賢しいことを並べたてる人間に、私は艶やかに嘲笑った。
「ふふ、何を言っているの?私が今ここでフェリドを抑えて人間を守っていることと、誰一人高専の生徒や一般人を襲っていないことが何よりの証明じゃない。」
それは悟のお願いだからだが、実質そう変わらない。
「それに、、、いつでも殺せるのよ?悟以外の人間だなんて。」
「「「「っ、、、、」」」」
ぺろり、と舌を舐めると周りは最も簡単に怖気ずいた。
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Reina(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!私生活の方が忙しくて中々時間が取れなかったのですが、そう言っていただけるととても嬉しいです。頑張ります! (2021年10月24日 19時) (レス) id: b4ccc6a785 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 更新お久しぶりです!もう更新しないのかなぁと少し不安になってましたがありがとうございます!ほんとにこの小説面白くて大好きです!無理だけはせずにこれからも頑張って下さい! (2021年10月24日 3時) (レス) @page26 id: 9bb0d4787d (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - いつも楽しく拝見させていただいております。更新を楽しみにしてお待ちしております!頑張ってください! (2021年7月18日 17時) (レス) id: e5f7c718e0 (このIDを非表示/違反報告)
Reina(プロフ) - れんさん» ありがとうございます (2021年5月25日 16時) (レス) id: b4ccc6a785 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ご対応頂きありがとうございます!これからも更新楽しみにしております。季節の変わり目ですのでお身体にはご自愛くださいませ。 (2021年5月25日 1時) (レス) id: cf8acd5d9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Reina | 作成日時:2021年2月11日 2時