いとまごい 3 ページ34
「じゃあな、A！」
「Aちゃんササヨヨナナララ〜！！」
二人が手を振ってくれてたので、私も振り返しながら別れを告げた。
ボンボンさんがいないのがとても心残りだ。
様子を見届けたウォーリーさんはその翼を広げ、大きく羽ばたかせた。
にわかに風が発生し、辺りの木や草花が騒がしく揺れる。
ぶわりと地面に降り立ち、私に一言「入りなさい」と言うと、自身の大きな嘴をグパッと開いた。
(入るって……口の中に？)
文字通り、ここが入り口らしい。
薄々そんな気はしていたが、いざとなると、正直抵抗がある……
覗き込んで見えるのは、手で触れそうなほどの真っ暗闇だけだ。どこまでも続く洞窟のように、否が応でも不安に駆られる。
鳥の口内を観察した経験はほぼ無いが、どの鳥もこうなのだろうか？
「早く行けよ」
躊躇している私に、ジミーさんが笑いながら突っ込みを入れた。
ベッピーさんは相変わらず、大袈裟なほど、両手を力一杯振ってくれている。
この調子だと、彼は私が見えなくなるまで手を振り続けるつもりだろう。
これ以上モタモタしていたら、彼にもウォーリーさんにも申し訳が立たない。
「……お邪魔しますっ」
意を決し、恐る恐る上半身を潜り込ませ、暗闇の中を這うように進んでいく。
中は生暖かく、幸い濡れてはいない。
なんとか、足までは口内に入りきらせることができた……のだが、問題はここからだった。
(うわ、狭い！)
進んでいくにつれ、通路がどんどん窮屈になっていったのである。
もし私が閉所恐怖症だったなら、今頃発狂していたに違いない。
多分、今は喉の部分を通っているのだろうが、下手をすると詰まってしまわないだろうか。
「もう少し、ハァ、じ、上手に進んでくれるか……戻しそうだ」
「え！？す、すみません、もうちょっと待ってください！」
ウォーリーさんの苦しそうな声に、焦りが急激に加速する。
一体どうしたらいいというのだ。
やっと暗闇に目が慣れてきたのか、通路の突き当たりに、ぼんやりとした明かりが見えてきた。
直感的に思う。
きっと、あそこがゴールだ！
急いで向かうべく、必死にもがいた。
すると突然、身体を包んでいる全ての壁が大きくうねり、至るところが伸縮しだす。
私はあれよあれよと言うままに、ぐんぐん押し進められていった。
ゴックン！
典型的な呑み込み音と共に、でんぐり返しの要領で身体が床に転がるのを感じた。
衝撃で頭がクラクラする。
今日は、よく目を回す日だ……
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マーシャ - cuphead夢小説の中でも原作の世界観が良く感じられ、素敵な作品だと思っています。何年も更新が停止されていますが、この年でも私のように読んでいる者が居ることをご報告したいです…！いつか更新再開されることを願います (4月18日 18時) (
レス) id: bebb921341 (このIDを非表示/違反報告)
とまとたらこ(プロフ) - ウサリボンさん» お返事が遅れてしまい申し訳ありません。今後の展開は未だに推敲中ですが、更新はいずれ必ず致しますので、長い目で見守っていただけると幸いです。暖かなコメントをありがとうございます。頑張ります! (2018年10月30日 17時) (レス) id: 9b699bce75 (このIDを非表示/違反報告)
ウサリボン - とまとたらこさん» 面白かったです。更新再開する事を願います。 (2018年10月24日 23時) (レス) id: 184a8843bf (このIDを非表示/違反報告)
とまとたらこ(プロフ) - やみなーさん» ありがとうございます！！！好きと言っていただけてとても嬉しいです……モチベーション上げて頑張ります！！ (2018年4月12日 23時) (レス) id: 9b699bce75 (このIDを非表示/違反報告)
やみなー(プロフ) - ｱｯ…すごい好き…(語彙力) 続き楽しみにしてます！ (2018年4月12日 22時) (レス) id: 8994a0e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とまとたらこ | 作成日時：2018年1月11日 23時
