羞恥の事実 ページ25
カッと熱を帯びた頬と目頭に、自分が更に情けなく感じられた。
もう嫌だ、家に帰りたい…
一刻も早く目覚めようと、自分の頬をつねったり、叩いたりしたが、痛いだけに終わった。
ひょっとしたら、現実からの刺激がないと起床できないのかもしれない。
それでもせめて、この場から逃げ出せないだろうか…そう思う一心で、辺りを見回してみる。
「あれ？」…いつの間にか、お菓子の人達がいない。
見ると、少し離れた場所で円になり、何やら会議をしている様子だった。
ヒソヒソしている割りには声が大きく、会話がこちらにまで聞こえてくる。
「彼女は…のようです」
「ボンボン様や、…を見て…せた…」
「つまり、美味し…だと…！？」
「我々…真似できぬ…です」
状況が整理できずにいると、ボンボンさんが円から離脱し、ゆっくり戻ってきた。
また怒られるかと、身構える。
「貴女、お腹を空かせているのよね」
しかし、想像していた事とは裏腹に、シンプルな質問が投げかけられた。
「へ？…は、はい」
「何故かしら？」
「はい！？
え、えっと…ここがとても、美味しそうだったから…です」
正直に打ち明けた。
私の話を聞いたボンボンさんは、腕組みをして何やら考え込んでいる。
…ふと、急に大事なことを思い出した。
「そうだ…ボンボンさん！
あの時、お菓子をありがとうございました！」
パーティ用に頂いたお菓子のお礼を、まだ言えていなかったのだ。
ちゃんと、私自身の言葉で。
「あら。それについてのお礼は、もうパーティで聞いたわよ」
「あの時ほど流暢に言えないと思いますけど…もう一度、言わせてください。
どれも凄く美味しかったです。ごちそうさまでした！」
ボンボンさんの険しい顔が、少しだけ和らいだ気がする。
「…お気に召したものはあるかしら？」
ぱっと思い浮かんだのは、ここに来てから一番最初に口にしたものだった。
「カップケーキです」
奥で見守っていたお菓子たちが、息を呑んだ。
何か、失言していないといいが…大丈夫だろうか。
「今も欲しているわけね」
ステッキの先端で、お腹をツンと指し示される。
先ほどの情景を思い出し、再び顔から火が出そうになった。
「いいわ、楽になさい」
「…！」
許してもらえた…のだろうか？
「言葉だけ強制しても、根本から解決はしないわよね…。
肝心なことを見失っていたわ」
ボンボンさんはそう言って、申し訳なさそうな様子を見せた。
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マーシャ - cuphead夢小説の中でも原作の世界観が良く感じられ、素敵な作品だと思っています。何年も更新が停止されていますが、この年でも私のように読んでいる者が居ることをご報告したいです…！いつか更新再開されることを願います (4月18日 18時) (
レス) id: bebb921341 (このIDを非表示/違反報告)
とまとたらこ(プロフ) - ウサリボンさん» お返事が遅れてしまい申し訳ありません。今後の展開は未だに推敲中ですが、更新はいずれ必ず致しますので、長い目で見守っていただけると幸いです。暖かなコメントをありがとうございます。頑張ります! (2018年10月30日 17時) (レス) id: 9b699bce75 (このIDを非表示/違反報告)
ウサリボン - とまとたらこさん» 面白かったです。更新再開する事を願います。 (2018年10月24日 23時) (レス) id: 184a8843bf (このIDを非表示/違反報告)
とまとたらこ(プロフ) - やみなーさん» ありがとうございます！！！好きと言っていただけてとても嬉しいです……モチベーション上げて頑張ります！！ (2018年4月12日 23時) (レス) id: 9b699bce75 (このIDを非表示/違反報告)
やみなー(プロフ) - ｱｯ…すごい好き…(語彙力) 続き楽しみにしてます！ (2018年4月12日 22時) (レス) id: 8994a0e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とまとたらこ | 作成日時：2018年1月11日 23時
