炎の中で 4 ページ17
「どう言うこと、ですか…？」
茫然として、言葉の意味を聞かずにはいられなかった。
「不足していたお前の言語力に、魔力を注いで増幅させたのだ。
とてもじゃないが、見ていられなかったからな。
あれではまるで公開処刑だったろう？」
デビルさんが「なぁ、ダイス」と、傍らで立っていた彼に話を振る。
「ええ！おっしゃる通りでございます。
ボスのお力がなければ、あの兄弟にさえ、幻滅されていたでしょうねぇ。
目に見えるようですよ、惨めに泣いている彼女が…ああぁ、可哀想に」
露骨に私をチラ見しながら、片目を擦る仕草をしている。
開いた口が塞がらなかった。
いったいどうして、そんなことを。
「なぁに。俺様なりの、ささやかなプレゼントさ。
お近づきのしるしにな。
歓迎するぞ、A」
意味ありげに片方の眉をあげて、デビルさんは続ける。
「どこの世界から来たのか知らんが、折角のゲストが、カジノの前で野垂れ死になど、やられてほしくなかったのでな」
「の、野垂れ死に…？！」
「ふむ、覚えていないようだな」
てっきり、彼らに誘拐されたのかと思い始めていたが、どうやら違うようである。
デビルさんの話によると。
私が倒れたあの後、私の身体はすぐ煙になって、跡形もなく消えてしまったらしい。
主役のいなくなったパーティは、お開きにせざるを得なかったようで、全員がすごすごと帰ってしまった。
勿論、デビルさん達も。
だから、残った兄弟とケトルさんが、その後どうしたのかは知らない、とのことだ。
そして、次の日…つまり、今日。
デビルさんの子分の一人が、カジノの前で倒れている私を見つけたので、介抱したのだという。
「それで…縛っていたのは…？」
「目が覚めてから、勝手にどこへでもいかれると面倒だからな。
少々手荒だったことは、謝ろう」
彼はそう言って、軽くではあるが、頭を下げてくれた。
頭痛がしてきたが、一旦状況を整理してみる。
つまり、あのスピーチが成功したのは、私の力でも何でもなかったと…。
なんだか、意気込んでいたところに水を差されたようで、気分が悪い。
そしていくらなんでも、縛って置かなくてもいいだろうとも思う。
不意に、ダイスさんが咳払いをした。
「君の気持ちはよくわかる。
『そんな素晴らしい力があるなら、他の能力も上げられるのか？』
答えはイエス！
学力、身体能力、運の力までもが…思いのままなのだよ！」
熱弁されたが、見当違いもいいところだ。
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マーシャ - cuphead夢小説の中でも原作の世界観が良く感じられ、素敵な作品だと思っています。何年も更新が停止されていますが、この年でも私のように読んでいる者が居ることをご報告したいです…！いつか更新再開されることを願います (4月18日 18時) (
レス) id: bebb921341 (このIDを非表示/違反報告)
とまとたらこ(プロフ) - ウサリボンさん» お返事が遅れてしまい申し訳ありません。今後の展開は未だに推敲中ですが、更新はいずれ必ず致しますので、長い目で見守っていただけると幸いです。暖かなコメントをありがとうございます。頑張ります! (2018年10月30日 17時) (レス) id: 9b699bce75 (このIDを非表示/違反報告)
ウサリボン - とまとたらこさん» 面白かったです。更新再開する事を願います。 (2018年10月24日 23時) (レス) id: 184a8843bf (このIDを非表示/違反報告)
とまとたらこ(プロフ) - やみなーさん» ありがとうございます！！！好きと言っていただけてとても嬉しいです……モチベーション上げて頑張ります！！ (2018年4月12日 23時) (レス) id: 9b699bce75 (このIDを非表示/違反報告)
やみなー(プロフ) - ｱｯ…すごい好き…(語彙力) 続き楽しみにしてます！ (2018年4月12日 22時) (レス) id: 8994a0e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とまとたらこ | 作成日時：2018年1月11日 23時
