【イナゴ】小さき少女は能力者!? 序章～転校初日で生徒会長!?～ (ページ21)

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　　＿17.～Let's sing!～－さぁ歌うよ！－※少し過去編※ ページ21

黒澤「楽しかった嬉しかった
　君が笑い僕が笑う

　僕達はまだ知らなかった
　全てが瞬く間に......」

　優しく、ふんわりとした感じでピアノを奏でる

　そう、あの頃はまだ、僕は何も知らなかったんだ

　今はどこにいるのか、生きているのかすらも
　わからないーーーーーも、ーーーも

　この曲は僕の過去と同じなんだ

　少しだけ話すよ

　これはまだ僕が三歳ぐらいの頃

黒澤「誰もいない道を一人走り去る
　待ち合わせ場所はいつもの公園……」
　僕は毎日のように公園に遊びに行っていた

　幼少期、唯一の友達であり、幼馴染みでもある

　ある女の子と遊んでいた

黒澤「……笑いながら言う君」
　ずっと一緒だった

　僕と女の子とーーーーの三人は

　ある出来事が起こるまでは

黒澤「いつも通り遊んでいたなら
　後ろから魔の手から
　君達を守れたのかな？」

　そう、その日だけいつもと違う遊びをしていた

　いつもは公園の遊具で遊んでいた
　その公園は、普通の公園より広いが

　鬼ごっことかくれんぼをして遊んだことは一度もなかった

　僕の“実の兄”の言い付けで。

　でも、その日に限って兄さんは居なかった

　その子と二人きりだったため
　つい、遊びたい誘惑に負けてしまった

黒澤「楽しかった嬉しかった
　僕達だけの鬼ごっこは
　逃げ出す前に捕まった……」

　一言で言うのであれば、僕達は

『『じゃーんけーんぽい！』』

『勝ったぁ！じゃあ、ーーーちゃんが鬼ね！』

『わかった！Aちゃん、絶対捕まえるから！』

『じゃあ、三十数えてからAちゃん、
　探して追いかけるね。いくよー！』

『わかった～！』

『……二十、二十一、……きゃぁぁぁあ！！！』

　急に幼馴染みの悲鳴が聞こえた

　びっくりして彼女のもとに行こうとした

『えっ、ーーーちゃんどうし……んぐッ』

　だけど、何者かに背後から
　ハンカチで口を抑えられた

　そのハンカチには睡眠薬が含まれていた

　意識が飛ぶ前に見えたのは

　知らない男の車に乗せられ

　目の周りが少し濡れて意識のない幼馴染みと

　身動きできないように縛られていた兄だった

　男達は怪しい笑みを浮かべていた

　僕達は

　……“誘拐された”んだ