2日目のシチュー (ページ13)

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教えてください3 ページ13

北斗くんとはもう終わった、言葉はなくてもわかる

松村先生の授業はいつも楽しみだったけど今日は辛くて
私を見る松村先生と目が合わないように顔を伏せるしか無かった

数週間経って、中野先生と松村先生が付き合ってるという噂はみんなが本当だと信じるようになった

「あ、日直さん、今日ノート集めて放課後準備室に来てください」

松村先生が授業でそう言った
今日の日直は私だった、ノート提出なんて今すればいいしわざわざ放課後にするのも、まだ傷心中の私には松村先生は意地悪だ

そうやって何も考えてないように見えるあたり、松村先生にとって私はどうでもいい存在だったんだと思う

一緒に帰ってる子に断りを入れて準備室に行けば

「ありがと」
松村先生はノートを受け取って自分のデスクに置く

『失礼しました』

そう言って準備室から出ようとしたら腕を掴まれた

「待って、話したい」

『...なん、ですか』

松村先生は準備室の鍵をかけて私をソファに座らせた

「...あの男と帰るの辞めて」

『なんでそんなこと先生に言われなきゃいけないんですか』
松村先生にはもう関係ない、だって私たちはあの日終わって
ううん、そもそも本当に付き合っていたのか私はまだ信じられない

「俺たち、もう終わったとか思ってる？」

『..終わってます』

「終わってない、終わらせないで...俺はまだ好きだよ」

私の肩に手を置いた松村先生は弱々しく私の頭を撫でて私を抱きしめる

『え...先生？』

「先生じゃない、北斗」

『っ、北斗くん...だめだよ』

「約束して、他の男と帰んないって」

『でも..』

「でもじゃない、俺ほんとに好きなの...キスもハグも出来ないのは」
『...うん』

「俺がその先を我慢できなくなるから、ダサいとこ見せたくないし...貴方まだ高校生だし、まだプラトニックなお付き合いでないといけないのよ」

「触れることさえずっと自制してた、触れたら我慢できなくなるから...でも、貴方が離れたら元も子もないじゃない」

苦しいくらい強く抱きしめられて、こんなに北斗くんの匂いでいっぱいになったことなんてなくて、めちゃくちゃ早い心臓の音といい匂いと、頭はいっぱいいっぱい

『北斗くん、今度の日曜お家行っていい？』

「...俺のこと好き？」

『北斗くんのお家に行ったら言うよ』

「...ずるいな」
北斗くんは目を細めて笑う

『そろそろ出ないと、変に思われちゃう』

「...気をつけて帰ってね、A」