1〈魔女雨の誕生〉 ページ9
垂れ流れる数々の映像、その全てがBellaたちの悪行だった。今までどれだけのことがあったか、覚えていないほどの量。映像が切り替わる度に、周囲はざわめきで溢れ、彼女たちの顔は青くなっていった。
「………」
どの映像の私も、なんて醜いのだろう。こんな姿を晒すだなんて、余程の恥知らず。そう思っていたが。
「カーカッカ！！」
ブラックのとても楽しそうな様子を見て、思わず微笑が零れてしまう。その笑顔が見れるのなら、どれだけ醜い姿でも見せてやって良い。本気で、そう思っていた。
「This・is！炎ターテイメント！！」
そう言って、彼はお辞儀し、映像会の幕は下りた。
「What does mean?!Artin,Stear,Bella！！」
「………」
友達であるArtinとStearは、責め立てられる言葉に萎縮して震えている。一方、Bellaはというと、ずっとその場に突っ立ち、ただ俯いていただけだった。
「Bella！」
「Shut up！！」
叫び声が響き渡り、ざわめきは一瞬にして消え去った。「Because…」と言って、彼女は続ける。
「I have dobe what was correct. Year,those are correct……」
自分は正しい、自分は当たり前のことをした。そんなことを喚きながら、彼女の顔は涙で濡れていく。
ーーー「I was…just punishing her！！」
そう言い放って、彼女はぐしゃりとその場に座り込む。ポロポロと涙を流しながら、ずっとそのような戯言を呟き続けていた。
私は彼女にゆっくり近づき、しゃがむようにして顔を覗き込んでみた。
「……What…？A」
Bellaがこちらを、猛獣よりも鋭い目つきで睨んできた。
嗚呼、可愛くない。Bellaはあのはにかんだ時の笑みが魅力なのに、今や、こんなにも涙と鼻水で汚れてしまって、挙句の果てにはこんな表情だ。
もしかしたら、私より醜いのかもしれない。そんな考えが、一瞬頭の中を過った。
「……Bella」
私は人差し指で彼女の涙を拭った。
「I'm sorry,Bella. Actually,I had plan to do it a lot of later」
そう言いながら私は笑顔を繕った。鋭い、刃物のような声色で、訴えかけるように、憐れむように、躾けるように、説いてあげた。
「…………」
Bellaの涙は、もう止まっていた。私は立ち上がり、軽くスカートを手で払ってから、ブラックのもとへ戻っていった。
これで、もう全部終わったのだ。
＊＊＊
「いやーいい絵が撮れましたね、カメラちゃん！！」
「じー！！」
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作者名：U-ray | 作者ホームページ：http://Kegaretakoinitumonakiaiwo0
作成日時：2024年3月25日 23時
