検索窓
今日:5 hit、昨日:48 hit、合計:446 hit

3〈悪魔と魔女の愛と恋〉 ページ32

「誰よりも美しく、賢く、素敵な魔女であったこの少女の裏側は、自身の恋という感情のためだったら何でもする、非道で、自分勝手なサイコパス。まさに、魔女と呼ぶに相応しい人間でしたね!」
 視線を、ブラック様が喋っている方向に移す。
 いつ出てきたのだろう。カメラちゃんが浮いていた。ブラック様に言われて、どこかに隠れていたのだろうか。
 五年間、ライブ配信。私が魔女になった時からずっと、撮られていたのか?まさかまさかの事実である。
「雨、いやA、何か言いたいことはありますか?」
 ブラック様とカメラちゃん。二人の顔が一気に近くなった。二人共、あの素敵な笑顔をしている。本当にそっくりだ。
 嗚呼、初めての経験である。罪人、『裁かれる側』の視点など。
 どうして、どうして。
「………あは」
「うん?」
「じぃ〜?」
 どうしてこんなに、嬉しいのでしょう?
「あっははははははははははは!あははははははははははははははは!!」
 嗚呼、喜ばしい。踊る心を抑えられずに、腹の底から笑いがこみ上げてきてしまう動いている。
 あぁ、そうか。私は嬉しいんだ。
 遂に、本当の意味で、ブラック様に撮ってもらえたことが。
 いや、厳密には五年前から撮られていたのだから、最初から私の望みは叶っていた?
 そう思うと、さらに笑えてきて仕方がない。望まなくとも、とうの昔に叶えられていたなんて。
「最っ高に、幸せです!!」
 目を輝かせて、御二人に言いました。カメラちゃんは少し戸惑った表情に、ブラック様は無表情に戻ってしまった。
「実は私、ずっとブラック様に撮ってもらいたいたくて、深いところまで私を見てほしくて、ずっと頑張ってきたんです。魔法も、勉強も、編集も、歌は微妙でしたけど、それでも努力してきたんです。そんな夢が、この一瞬にして叶って、しかも望む前から叶っていたなんて………幸せ以外の何と言うのですか?」
 饒舌に、語れるだけ語り尽くした。
 レンズの先にいる大勢の視聴者にではなく、目の前の、驚いた様子も、戸惑っている様子も、忌み嫌っている様子も見せない、ブラック様に向かって。
「ブラック様……楽しかったですか?私の日常を付きっきりで撮影して、楽しかったですか?もし楽しかったのなら………」
 右手を、首元に突きつけられた鎌の縁に添える。
「私という魔女を、罰していただけませんか?」
「………」

3〈悪魔と魔女の愛と恋〉→←3〈悪魔と魔女の愛と恋〉



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:ブラック , ブラックチャンネル , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:U-ray | 作者ホームページ:http://Kegaretakoinitumonakiaiwo0  
作成日時:2024年3月25日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。