-じゃんけん- ページ6
それは一瞬の出来事だった。
ローさんが刀をふるうと、刃が当たってもいないのに
そして、あの巨体のアルビダさえも上半身と下半身が真っ二つにされてしまった。
しかし不思議なのは、バラバラになっているはずなのに死んでいないということ。
アルビダは、恨めしそうにローさんを見上げている。
ロー「小舟はどこにある」
アルビダ「あたしゃ知らないね」
ローさんはアルビダに刃を向け、もう一度問う。
しかし、やはり「知らない」と。
ロー「小舟の場所を知ってるやつはいねェのか」
すると一人の男の子が口を開いた。
コビー「こっ…小舟の場所なら僕わかります。さっき見つけたので…」
彼は私と一緒にアルビダの船で雑用をしていたコビーくん。
彼も嫌々アルビダの船に乗っていた子だ。
ロー「案内しろ」
コビー「はっ…はい！」
私達はコビーくんの後に続いて船の奥へ行く。
ロー「そういえば、お前、何でバラされてねェんだ」
コビー「あぁ…僕、ずっと隠れていたもので…。」
「あ、こっちですよ」とコビーくんが指を指す先に小舟はあった。
けっこう小さい。
3〜4人なら乗れるかな？っていうくらいのサイズが二隻ある。
二手に分かれれば全員乗れるだろう。
問題はどうやって分かれるか。
人数は全員で6人いる。
3と3で分かれるべきなんだろうけど、そうなると必然的にローさん達がバラけてしまう。
それに、ローさんの仲間の白熊さんのサイズが少々大きい。
白熊さんが乗るほうの船はぎゅうぎゅう詰めになりそうだ。
ペンギン「じゃんけんしようぜ、グーとパーに分かれるやつ」
呆れたような顔をしたローさんだったが、それしか方法がないと思ったらしく、渋々手を出した。
ペンギン「じゃあ行くぜ？
＿＿＿＿じゃんけん、ぽい！」
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作者名：本郷葵 | 作成日時：2019年9月15日 1時
