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ユリウスが魔法帝となるに至るまでは、決して研鑽と実績だけが全てではなかった。
魔法が全てのこの世界で、魔法とは何のためにあるのか、身分とは何のためにあるのか。
成り行きのような形で魔法騎士になったユリウスには、その価値観そのものに対する疑問を1人で解決することはできなかった。
出口のない暗闇の道を走る中で出会ったのが、ザラという魔法騎士の鑑のような男だった。
弛まぬ努力で優れた魔法を生み出し、目先の利益にとらわれず国民を率先して救う。
ユリウスが求めていた答えがザラにはあったのだ。
だがザラは、下民だから目障りだったという理由だけで、味方に殺された。
そんなことがあってはならないという怒り。
何故自分は何もできなかったのだという後悔。
ザラの生き様とザラの死が、ユリウスの原点を示すきっかけとなったのだ。
(魔法の…人間の可能性は無限大だ)
生まれ持った身分と魔力だけが全てではない。
ザラのおかげでユリウスがそれに気づけたように、他の皆にも気づいてほしいのだ。
(魔法は…人間はもっと自由なはずだ)
フエゴレオンやノゼルのような、身分相応に優れた魔力と才能以上の実力を持つ魔道士。
ユノやラックのような、生まれた身分に関わらず優れた魔力とセンスを持った魔道士。
ザラやゾラ、マグナのような、少ない魔力でも深化した複雑な魔法が使える魔道士。
ドロシーやバネッサのような、概念に干渉できる魔法が使える魔道士。
ヤミやウィリアム、Aのような、ユリウスに劣らない特殊で特別な魔法を持つ魔道士。
アスタのような、誰よりも特別でないから誰よりも特別な魔法が使える魔道士。
彼らだけではない。
他にももっとたくさんいる、たくさんあると気づいて欲しかった。
劇的ではなくても、少しずつ、だが確実に変わり始めている。
ユリウスが信じて認めた者達の力で。
その者達が信じて認めた者達の力で。
だからこそ今、ユリウスは魔法帝として、終わらせるわけにはいかない。
「時間反転魔法“クロノ アナスタシス”」
ユリウスは蓄えていた魔力全てを使って、国全土を覆った光魔法を打ち消した。
自分を護る魔力も使い切って。
「＿＿＿だから避けることが出来なかった。オマエは魔法帝だから」
ヤミが辿り着いた時に目にしたのは、光の剣で心臓を貫かれたユリウスだった。
「魔法帝であること…それが…オマエの唯一の弱点だ…！！」
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HANON(プロフ) - 柏餅さん» 神だなんて光栄です！柏餅さんコメントありがとうございます。 (3月17日 0時) (
レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - シオンさん» 何度も読み返していただけて嬉しいです。シオンさんコメントありがとうございます。 (3月17日 0時) (レス) @page13 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 神すぎます！ (3月13日 22時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 本当に本当にすごい。何回も読み直してます！それでもずっと面白い！！本当に本当に最高です。 (1月19日 2時) (レス) @page12 id: cb169202a3 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます。更新頑張ります。 (10月13日 0時) (レス) @page11 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2023年1月15日 20時
