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第四話 ページ5

「うん!そう!!分かってくれてよかった〜!
で、これから探していかなきゃいけない訳だけれど、クローゼットの中に服と資金が入ってる。一応君の今いる部屋をできる限り借りているから、こっちにいる間はその部屋で生活してくれたらいい。あっいや、もし普通の家がいいのならどこか借りてくれても……
金銭面は全然問わないから…うん……元はと言えば俺のせいでこんなことになっちゃった訳だし……」

元気になったかと思えばまた声が小さくなっていく彼に100パーセント彼の責任だというのに私は少し心が痛くなってしまう。
すごい落ち込んでる……

「えっと…いきなりの状況に驚いてますが、だ、大丈夫ですよ!
頑張って見つけだします……」

全然何も大丈夫ではないのだが、自分よりも落ち込んでいる彼を少しでも元気付けたくてこんなことを口走ってしまった。
なんとも無責任だと自分でも思う。

「ありがとう…俺も手伝いたい所なんだけれども、次元の管理って結構忙しくて俺は手が貸せそうにないんだ。
だからとりあえずその猫の特徴を言っておくね。
毛色は黒で目は黄色…赤い首輪をつけていて、左前足に少し傷がある…
結構特徴的だと思うからすぐに見つかると思うけど…
見つかったらそのスマホの電話帳に入っている“0”って名前にかけて欲しい。また俺につながるから!」

「わ、分かりました。」

「あ!あと!君のその携帯に地図アプリも入っているから是非使って!
あと一応何かあった時のために君の戸籍を一時的に作らせてもらった。名前は“矢代 桜”。これでよろしく。」

「偽名、ですか…分かりました。」

「えっとその…こんなことになっちゃって本当に申し訳ないんだけど……




健闘を祈るよ。」

「……はい。」


携帯からはもう機械的な音しか聞こえず私は一旦画面を閉じる。


実は相変わらず頭は混乱したままなのだが、いつまでもこのままでもいられない。

あまりにも非現実的な話だし、まだここは夢なのではないだろうかと思ってしまうがとにかくやるしかない。









どうせ元の世界で少しくらい私がいなくても、何も困らない。



ふとそんな考えが頭をよぎり、思わず顔を下に向けてしまった。

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抹茶(プロフ) - 続き待ってます! (2021年4月29日 20時) (レス) id: d4cbcb32c5 (このIDを非表示/違反報告)
ただのコナン好き - 頑張ってください!ずっと待ってます!!!! (2020年10月4日 2時) (レス) id: 16a116f907 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります…… (2020年7月1日 23時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
るー(プロフ) - ずっと待ってます! (2020年6月25日 6時) (レス) id: 85975469a2 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白かったです。応援します。また夢を見ましょう?更新頑張って下さいね。 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 126f1c9449 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキヤ | 作成日時:2018年1月26日 23時

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