第三十六話 ページ37
「もう、大丈夫なようですね。」
大事なことに気づいた私を見て沖矢さんはまた微笑みかけてくれる。
出会ったばかりなのに、その笑みに安心させられる感覚がある。
……本当の大人の人ってすごい、なんて思う。
「…ありがとうございます、なんかスッキリしました。
沖矢さんのおかげです。」
そう言ってもう一度頭を下げる。
今度は、笑顔で。
「また何か悩み事があれば相談してくださいね、こんな私でよければですが……」
「そんな!今まで気づけなかったことに気づかせてくれましたし!!
それに頼りになりますし、お優しいですし、かっこい…い……ですし…」
なんだか言ってる途中でまた恥ずかしくなってきた。
謙遜する沖矢さんをそんなことないと言いたかっただけなのに、なんだか別の方向へ向かってるきがして…
しかし褒められている当の本人はまた恐縮ですと言わんばかりに微笑んでいた。
……間違った方向に行こうとしていたのは私だけか、と少し安心する。
「それに…私が知りたいんです、あなたのことを、もっとね……」
……今なんだかすごいセリフが出てきた気がする。
イケメンにそんなことを言われたら照れない訳がなく、私の顔は見事にゆでだこのように真っ赤になっていた。
だめだぞ、染井A……これは沖矢さんが優しくて天然タラシなだけであって、決して私に好意がある訳ではないんだからな……!!!
そんな私を見た沖矢さんはフッと笑い、私に近づいてくる。
「昴。」
「え?」
「名前、」
「……?」
沖矢さんの突然の単語に困惑する。
意思疎通が完全にできてない。だめだこりゃ。
「名前で呼んでください
私は桜さんとお呼びしてますし、苗字だとなんだか距離を置かれているようで……」
あ……
なんだそういうことかー!!!
意外と普通で安心する。
近づいてきた時からなんだか安室さんのような気配を纏っていたのでてっきり何かやらかすのではないかと思っていたが、沖矢さんはただ私と仲良くしてくれようとしてるだけだった。
「あ、そう、ですよね…昴さん……で。
これからそうお呼びします。」
そう言った私に昴さんは嬉しそうに笑い、その日はまた昴さんが車を出し、ホテルまで送ってくれた。
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抹茶(プロフ) - 続き待ってます! (2021年4月29日 20時) (レス) id: d4cbcb32c5 (このIDを非表示/違反報告)
ただのコナン好き - 頑張ってください!ずっと待ってます!!!! (2020年10月4日 2時) (レス) id: 16a116f907 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります…… (2020年7月1日 23時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
るー(プロフ) - ずっと待ってます! (2020年6月25日 6時) (レス) id: 85975469a2 (このIDを非表示/違反報告)
神 - とっても面白かったです。応援します。また夢を見ましょう?更新頑張って下さいね。 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 126f1c9449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキヤ | 作成日時:2018年1月26日 23時