ハニートラップはお断り【名探偵コナン】 (ページ26)

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第二十五話ページ26

無理だよねー！
今更耳悪いとか無理だよねー！知ってた知ってた！

……思いついた策があっけなく崩れ、急いで代わりの策を考えようとするがこれといったモノが思いつかない。

もう、ダメだ

.

「なんのことですか？」

そう、笑顔で言う。

最終奥義、その名もしらばっくれである。

とんだ最終奥義だなと自分自身で嘲笑うが、今はこれしかない。
私が他の策を考え付くまでの時間稼ぎ…ってそれじゃあ最終奥義じゃないか。

私がやっと言葉を発すると安室さんは目を丸くした。

いや、理由は分かる。
あそこまで言わせといて何を今更しらばっくれているんだって思ってるんでしょ。

今更そんな言葉が出てくるとは思ってなかったのか安室さんはとても驚いている。

しかし彼は少しするとまた先ほどの険しい表情……ではなく、

「やっと目が会いましたね。」

そう言って笑ったのだ。
先ほどまでとはまったく違った、優しい声で。
こんな状況でもイケメンのスマイルとは影響力のあるもので、不覚にもその表情にドキッとしてしまう。

死ぬかもしれない状況で何ときめいているのだと言われるかもしれないが、これはもう条件反射みたいなものだろう。仕方がない。

しかし思ってもいなかった言葉に頭は混乱する。

今更なんだ。
まだハニートラップは続いていたのか？
強硬手段に出たのならもう必要ないのでは？
それとも死にゆく私に最後くらい優しくしてやろうって？
余計なお世話だバカやろ…あ、いや最後がイケメンのスマイルって結構いい……って違う違う！！死なないことが！第一！！

そんな脳内コントをしている私に、また安室さんの手が伸びてくる。

その手を見て一気に現実に引き戻される。
恐怖心が戻り、思わず安室さんの手をはたいてしまう。

その様子に安室さんは悲しい顔をする。

……なんでそんな顔するんですか。