第二十四話 ページ25
私の中で脳内と体が喧嘩している中、外側のただの殻と成り果てた私はその名の通り空っぽであった。
最悪の事態はいくらでも予想はできるが、これから聞かれる内容やそれによる結果はまったく分からない訳で
色々考えすぎてショート寸前の私は自己防衛機能でも勝手に働いたのだろうか、考えることを放棄し真っ白の状態で安室さんと向き合っているのだ。
「……無言は肯定と捉えてよろしいんですよね?」
そんな彼の言葉も右から左へ抜けていく。
何か喋らなきゃいけないこと位分かっている。とうの昔から。正確に言うと安室さんとの会話がなくなった頃から。
「……すみません、いきなりでしたね。
何故分かったのか、それが聞きたいんですよね?」
いや、謝るなら最初からそんなこと聞かないでほしい。
しかもやけに自信マンマンに言ってくるあたり、私が偽名を使っている証拠でも掴んでいるのだろう。
私が一言も話さずにいても安室さんが勝手に話を進めていく。
「この1週間近く貴方と行動を共にしてきましたが、私が貴方の名前を呼んでも反応しないことが多々ありました。
聞こえてないのか、それとも呼ばれたのが自分だと分かってないのか……。」
私呼ばれたときちゃんと反応してたよね?
あれ??
あ、気づいてないんじゃ覚えてるはずもないか。
って嘘でしょ
え、安室さんそんなに私のこと呼んでた!?
私の記憶にある限りでは多分両手で足りる回数しか呼ばれてないと思うが…
……というか意外と確証のない証拠だった。
なんかもっと“染井桜なんて人物の戸籍はない!”とか“名前以外の情報がなかった!”とか追いつめられるようなモノが来ると思っていたので少し拍子抜けしてしまった。
これなら耳が悪いとか言えば言い逃れできるかも…?
「……カフェで雑音がありながらも少しボリュームの落とした僕の声を聴きとれていたあなたが、“耳が悪い”なんて言いませんよね?」
やっぱり追いつめられてるかも。
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抹茶(プロフ) - 続き待ってます! (2021年4月29日 20時) (レス) id: d4cbcb32c5 (このIDを非表示/違反報告)
ただのコナン好き - 頑張ってください!ずっと待ってます!!!! (2020年10月4日 2時) (レス) id: 16a116f907 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります…… (2020年7月1日 23時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
るー(プロフ) - ずっと待ってます! (2020年6月25日 6時) (レス) id: 85975469a2 (このIDを非表示/違反報告)
神 - とっても面白かったです。応援します。また夢を見ましょう?更新頑張って下さいね。 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 126f1c9449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキヤ | 作成日時:2018年1月26日 23時