第二十三話 ページ24
…え?
え?え???
今安室さんなんていった……?
“そろそろ教えてくれませんか、あなたの本当のお名前”
あまりの突然さに驚き、私の顔はひょっとこのようになる。
目はこれでもかという程に開かれ、口は梅でも食べたのかというようにすぼめられている。
我ながらとんだブサイクな顔だ。
どうしていきなりそんな話になった?
さっきまで紅茶やら夕食のお話ししてたよね?
というかなんで“染井桜”が偽名だって分かったの?
私何かバレるようなことをしただろうか……
それとも組織って戸籍まで調べられちゃったりするわけなの……?
頭の中がぐちゃぐちゃになっている私をよそに、安室さんはいつの間にか人通りの少ない丘のようなところに車を止めていた。
窓をずっと見ていた私はまあ当然のように安室さんが全然知らない道を通っていることに気づいていた。
しかし近道かな?などと考えていた私はとんだアホ助だったわけで
ここでしくじったら…この丘から落とされるとか?などと今更のように危機感を感じ始めた。
車のエンジンを切り、後ろでシートベルトを外す音が聞こえる。
そのまま体ごとこちらを向いた彼と窓越しに目があう。
慌てて逸らしてももう遅く、彼からもう一度“桜さん”と呼びかけられる。
先ほどのハニートラップの時の声とは違い、真面目で少し低くなったその声に思わず体が揺れる。
まさか、私がハニートラップに気づいていることもバレて強硬手段に出た…?
もしかしたらこの車のグローブボックスには銃でも入ってるんじゃないか…組織の人間の車ならありえそう……
相手の言葉一つでこれだけ最悪の予想が浮かんだことはあっただろうか。
私はない。
願わくばこれっきり…いやこれも無くてよかった。
「桜さん、こちらを向いてくれませんか…」
低くも優しく言葉をかけてくる彼。
いやー!!無理でしょどう考えても!!却下却下!!
と私の脳内は言っているのだが、体は殺されるかもしれないという恐怖から安室さんの方へ向きを変える。
何振り向いてるの自分!!!
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抹茶(プロフ) - 続き待ってます! (2021年4月29日 20時) (レス) id: d4cbcb32c5 (このIDを非表示/違反報告)
ただのコナン好き - 頑張ってください!ずっと待ってます!!!! (2020年10月4日 2時) (レス) id: 16a116f907 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります…… (2020年7月1日 23時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
るー(プロフ) - ずっと待ってます! (2020年6月25日 6時) (レス) id: 85975469a2 (このIDを非表示/違反報告)
神 - とっても面白かったです。応援します。また夢を見ましょう?更新頑張って下さいね。 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 126f1c9449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキヤ | 作成日時:2018年1月26日 23時