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第二十二話 ページ23

そのおいしさに感動していれば、目の前の安室さんが今度は声を出してフフッと笑った。

え、何かしただろうかと顔を上げればまたもや伸びてくる手。

今度はなんだ!?と思っていると、今回は頬ではなく口元に彼の指が当たる。


「ついてますよ。」


そういって私の口元についてしまった生地らしきそれを自身の口へ運んでいく。

ペロッと自身の指を軽く舐めるその姿に過去一番にドキッとする。


「あ、結構甘さ控えめですね……これなら僕も頼めばよかったかな。」

そういって何事もなかったかのように、紅茶をすする安室さん。
そして驚きで思わず固まってしまう私。






あ〜〜〜!!惚れたい〜〜〜〜〜!!!
染井組だとかハニトラだとか全部ほっぽり出して単純に惚れたい〜〜〜!!!!!!


だってこんなこと、漫画でしか見たことない訳で、まあまずハニトラなんてのも漫画や小説くらいでしか聞いたことないし、それを難なくやってのける安室さんも安室さんだが……


私が顔を真っ赤にしながら固まっていると“どうしましたか?”なんて聞いてくるものだから、なんでもないと二口目を急いで口に運んだ。今度は口の周りになんてつかないように注意しながら。

すると彼はまた笑って言うのだ。
「お口にあったようで良かったです。よければまた一緒に来ましょうね。」


スマートに次の約束を取り付けてくる彼に私はまたケーキを口に含みながら固まるしかなかったのだった。








結局その日も見つけることはできず、今は安室さんの車で米花町まで戻っているところだ。

夕飯も誘われたが、正直これじゃあ心臓がいくつあっても足りないので予定があると無難な嘘をついて回避した。


それからの車内はとても静かで、空も暗くなり、窓越しに運転してる安室さんが嫌でも目に入る。

そんな時だった。



「桜さん……、そろそろ教えてくれませんか









あなたの本当のお名前。」

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抹茶(プロフ) - 続き待ってます! (2021年4月29日 20時) (レス) id: d4cbcb32c5 (このIDを非表示/違反報告)
ただのコナン好き - 頑張ってください!ずっと待ってます!!!! (2020年10月4日 2時) (レス) id: 16a116f907 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります…… (2020年7月1日 23時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
るー(プロフ) - ずっと待ってます! (2020年6月25日 6時) (レス) id: 85975469a2 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白かったです。応援します。また夢を見ましょう?更新頑張って下さいね。 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 126f1c9449 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキヤ | 作成日時:2018年1月26日 23時

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