ハニートラップはお断り【名探偵コナン】 (ページ16)

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第十五話ページ16

どこか自信ありげに聞いてくるコナンに安室は一つため息をつく。

拭いていたティーカップを置き、改めてコナンに向き直る。

「彼女は染井組とも、ましてや組織とも関係はない。
君には関係のない領域だよ、コナン君。

どこでそんな情報を仕入れてきたかは聞かないでおくけれど……」

「……じゃあ安室さんはもう染井組のことを調べ上げてたってこと？
組長の娘のことも＿＿＿＿＿＿」

「“聞かないでおく”、と言ったはずだよ。賢い君ならこの意味が分かるだろう。」

先ほどとはまったく違った、“ゼロ”の顔で牽制してくる安室にコナンは思わずその身を後ろにずらす。

“聞かないでおく”

それは安室がこの事に関してコナンに深く聞かない代わりに、コナンにもこれ以上詮索するなという意味であることはコナンも分かっていた。

気まずい雰囲気の中ポアロを出たコナンはその足を工藤邸へ向かわせながら先ほどの安室の言動について考えていた。

何故安室さんはあんなにもこの件について語らないんだ……

赤井さんの話であれば安室さんも染井組のことを調べていると言っていた。
そこでもうすでに組織と関係がないと分かっているのであればそう言ってくれれば一番早いというのに……

それに桜さんのこともそうだ。
染井組に関係がないのであれば何故安室さんはあんなにも彼女と会った時に動揺したのか。
潜入捜査をしているくらいの彼ならばちょっとやそっとのことじゃ動揺なんてしないはず…ましてや今追っている人物に会ったくらいじゃ…

他に接点があったのかとも思うがそれは桜さんの方が否定していた。
あの反応は嘘なんてついていなかったと思うし…

だからこそ安室さんが一方的に知っていたのであれば、染井組の関係者だとすれば筋が通るのだが……

やはりただ単に安室さんがこの件に俺を関わらせたくないだけか？

…しょうがねぇ、やっぱ自分で調べるしかねえか。

そう結論付けたコナンは今までのことを赤井に報告しようと工藤邸に進める足を速めた。